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書籍

ナシーン・モーティウの研究その1

この聖堂は素晴らしい場所だと分かった。ここはより寒いため、混合剤の調合には最適と思われる。しかも尋問する卑劣な衛兵もいない。無知から来る嫌悪感を剥き出しにして、我らの祝福を見下す目はないのだ。多くの者は私の決断に疑問を呈したが、連中は近視眼的だった。私のように、その先を見なかったのだ。

洞窟のオーガの研究の成果には… 確かに副作用があった。奴らは比較的簡単に感染した。予測しやすい行動パターンと鈍い知性のおかげで、素晴らしい実験材料になる。我々は疫病が物理的に表出する初期の徴候を確認したのだ。いいぞ、これはいい。素晴らしい、実に素晴らしい。この汚らわしい怪物も、私の導きによって美しくなった。ああ、こいつらは何と幸運なのだろう。このような愛すべき疫病に抱かれる、最初の者になったのだから。

だが、そこで全てが失敗してしまった! 奴らは失敗だ。失敗だったのだ! 奴らはとても疫病とは思えない行動を見せ始めたのだ。あの嫌らしくて愚かな怪物どもは死のうともしない! 奴らはただ… 怒るばかりだった。より強くなり、ひたすら凶暴になった! 奴らは私の研究者たちを攻撃し始めた。昨晩だけで相当な人数を失ったと思う。これから予定どおりに進めればいいが、すでにかなりの遅れが見込まれそうだ。

この研究を放棄するのは心苦しいが、このオーガたちは野獣と化してしまったと結論せざるを得ない。研究を続けることを望むならば、我々にはもっと人間の被験者が必要だ。この山が隔離された場所であることを考えると、どうしても通常の手順を踏む時間がない。多くの者は巨人が利用できるかもしれないと提案した。危険だ。危険きわまる。だが死人の出ない発見などあるだろうか?

個人的なことだが、私のもう片方の耳がついに腐り落ちた。まだもう少しかかりそうだが、現在の状態には期待が持てる。私は日々美しく、より完璧になっていく。より祝福されていくのだ。

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