魔術師ギルドのカーラレスによる転写
転写者のメモ: この転写では、我々の言語で時の経過を示す動詞を使っている。この放浪するカジートの月の司祭が私に説明しようとしたことへの理解を難しくするかもしれないが、自分の意識がさらに混乱する前に、厳密には正確でなくてもこの概念をまとめる必要があった。結果としてこの転写に過ちが起きた場合は、全て自分の責任である。月の司祭が私に示した、時間を越えた感覚が伝わることを願う。だが、おそらくこの方法はシェオゴラスのような存在への道を開くだろう。それから、この月の司祭は名前を明かすことを拒否した。自分は知識を持った司祭であり、同時に知識のない未熟者でもあると彼は語っていた。
* * *
時とタペストリーより前に、誇りの家は存在していた。概念としてずっと存在していた。これからも常に存在する。時の竜神であるアルコシュはタペストリーと時にこれを吹き込み、時を線形にしか捉えられない我々にも現実として認識させた。
誇りの家は、時の神の教えに従うアデプトの故郷となった。隔離された場所だ。そこで彼らは来たるべき破滅、ドラゴンが帰還し世界に不均衡をもたらす時に備えていた。
勇者ジャダッリはアルコシュの呼び声を聞き、誇りの家を作った。そして我々も現実として認識できるようになった。そう、彼女は黒き獣と戦ったのだ。そう、彼女は勝利したが命を失った。君の意識の中で、彼女が勝ったのはわずかな間だ。だが、彼女は常に存在し勝ち続けている。彼女は常に存在し続ける。
誇りの家の概念と場所は、ずっと存在してきた。ジャダッリが創設したアルコシュの誇りのように。一息にではなく、徐々に明らかになっていく物事の概念が理解できていればだが。
想像できるだろうか、タペストリーと線形の時に囚われた君に。ジャダッリは成功し、同時に失敗した。アブナー・サルンと呼ばれる者が、成功し同時に失敗したように。同じ瞬間に、線形の時の外側で。君には分からないだろう。それは望みすぎだ。
呼び声を聞いた勇者はジャダッリの後にもいた。線形の時で。さらに勇者は集まった。クランマザーも訪れては去っていった。一般的な言い方で言う時が過ぎ、ラカジンと呼ばれる者が現れた。彼は勇者となることに成功し、失敗した。過去のジャダッリのように。どうしてそんなことが可能か、それを知りたいか? 彼は線形の時で、誇りの家を去るまで成功していた。だが、時の外では? 彼は成功し、同時に失敗した。永遠にと言ってもいい。
誇りの家の一番新しいクランマザー、ヒズニは最初のクランマザーでもある。誇りの家のすべてのクランマザーは最初でもある。だが、この話はもう十分なようだ。私が話した中から君が何かを掴んだなら忘れるな。誇りの家はずっと存在していた。そしてこれからも存在する。アルコシュの誇りはずっと存在していた。そしてこれからも存在する。誇りの家のすべてのクランマザーは、ずっと存在していた。そしてこれからも存在する。来たるべき破滅は? ずっと存在していた。そしてこれからも存在する。
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