書籍

フィリップのヤスミンへのメモ

愛しきヤスミン、

この手紙を書くことがどんなにつらいか、君に伝え切れない。
偽りの生活は続けられない。
つまり、君とアデマールの関係を知っている。
3ヶ月前のことだ。
君がキスをし、見つめ合っているところを見てしまったんだ。
自分にとってはただのキスじゃなかった。
その瞬間、疑惑と信頼が真実と裏切りに取って代わった。

なぜそんなことができたのか聞くつもりはない。
しかし結婚は続けられないだろう。
その名の価値はないのだから。
それでもなお、君のこと、そして私たち2人のことを諦めていない自分がいる。
まだやり直せるという希望を持っている。

この望みが無駄でないなら、もうずっと昔に私たちが初めて会ったその時間に、埋められし砂の入口でこの手紙の返事がもらえるよう祈っている。

覚えているだろう。
その日は長雨だったけれど、雲が裂け、そこから太陽が顔を出した。
そして君の金色の髪を照らしたんだ。
それが合図だと考え、勇気を出して君に話し掛けることができた。

その2人が今では、このような受け入れがたい状況に陥っている。

願わくば、君への信頼が見当違いでありませんように。

フィリップ

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