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書籍

タムリエルのオーク 第3巻

グラシウス・ヴィリコ著

我々はクラグローンの「アイアンオーク」に行きあたった。
私はどの学者もこの存在する問題について研究をしていないことにショックを受けた。
だがその理由を知るまで時間はかからなかった。

アイアンオークについて学ぶことは難しい努力であることが証明されている。
彼らは外部の者なら誰にでも一律に敵対するのだ。
「敵対的」というのは、この場合控え目な表現ではない。
クラグローンに居た時、私は日常的に切り刻まれ引き裂かれ、そして生の鉄の爪で木に刺された死体を見つけていた。
これは落ち着かなかったが、情報を与えてくれた。
何がそのような残虐性を駆り立てるのか、私は不思議に思った。
大体のことと同様に、答えは過去にある。

古代のオークの洞窟絵画とネードの遺跡には驚くべきスタイルの類似性が示されていた。
これらのモチーフは原始のオークとネードの間に明らかに豊かな文化的交流があったことを示している。
これらの共有されたシンボルの豊かさは、段階的な、長期にわたる離別の期間の存在を示している。
紛争がより一般的になって、金属と石の加工で有利になったネードの時代があった。
いくつものネードのフレスコ画に武装した戦士が、武装していないオークと戦っている姿が描写されている。
我々はこれらの壁画には、あまり発展していない隣人に対して、本物の軍隊が勝利した様が描かれている。

神話紀末期のある時点でアイアンオークの文明が起こり、根本的な再構築が行なわれた。
基本的に平和で、呪術的な社会だったものが、急速に鉱山労働者や鍛冶職人、戦士たちのコミュニティーに代わり、より一般的なオーシマーに近くなる。
しかし、そこには特筆すべき違いがある。
アイアンオークは、戦争のやり方に対してかなり野性的な手法を導入した。
仲間と私は、バラバラになった状態の大量の死体が詰め込まれた墓を発見した。
壊れた背骨、散乱した頭蓋骨、ひび割れた胸骨。
多くの傷は、殺された後についたものだ。
そして多くの死体には、武器もあらゆる種類の防具もないようだ。

クラグローンの説得力のある絵画の中に、証拠を発見したと信じている。
アイアンオーク(石に対する尊敬の念が今日まで持続する)は、彼らと崇拝する原始の石を守るための必死な必要によって、採掘と戦争をせざるを得なかった。
くわとつるはしを手にして、彼らは信じる神への冒涜を行なったのだ。
怒りはある日、憎しみに取って代わられた。
特に、この神への冒涜へ彼らを駆り立てたネードにとっては。
もしこの説明が正確なものなら、アイアンオークの怒りはもっとも危険な種類の怒りだと結論付けることができる。
この怒りは、自己嫌悪からくる怒りなのだ。
彼らの文化と崇拝する石を守るために、歪めて何か暗いもの、恐ろしいものにする必要があった。
私はそれを、怒りと静かな悲しみ、あまりに暗く、本当の意味で回復するにはあまりに深いものではないかと恐れている。
我々は彼らの中から文化的な変化が起こることだけが、唯一の希望だと思っている。
それには長い時間が必要だろう。

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