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書籍

死霊術について

(抜粋)

V著

蘇生を軽く扱ってはならない。世界と霊魂両方の代価が、非常に高くなる可能性がある。意志がすべてだ。溢れんばかりの感情は、怒りと憎しみに極度に駆られ、痛みがすべての行動を邪悪に変える隷属者を生み出すことがある。乏しすぎる感情は、ごく簡単な命令に従う程度の能力しかない愚かなハスクを生み出す。思考が綺麗に整理され、計画が深く考慮された穏やかな心が死者を蘇生するための最も必要な要素だ。

本章の終わりに並ぶ他の多くの材料と同様に、霊魂はもちろん必要だ。しかし、死体に関しては… 注意しろ。年齢や腐敗の状態にかかわらず、どんな死体でも蘇生できるが、最も有用なのはほとんど損傷のないものだ(または少しの努力で回復できるもの)。欠損のないスケルトンは、新しいが切断された死体よりもよい。

鮮度に関しても、考慮にあたっては注意するように。蘇生されたアンデッドのうち、大部分がスケルトン、一部がゾンビ、そしてごく少数がレブナントであることに、疑問を抱いたことはあるか? 死体が蘇生されない時間が長いほど、元の所有者の死体に対する影響力は小さくなる。霊魂は数日、数週間、いや数年さえ死体に留まることがある。その期間が短いほど霊魂の核が残っている可能性が高くなる。

賢い死霊術師なら、隷属者の支配をめぐって、世界へ戻ろうとする怒りの霊魂と争うことを望まない。蘇生の開始前に隷属者の霊魂のすべてが旅立ったことを確認するのが最良だ。死霊術師が争いに勝ったとしても、それは安らぎへ向かう霊魂を苦しめる残酷な勝利だ。

霊魂がまだ消え去っていないほど早く、死者を蘇生することは軽率だ。なぜなら真の蘇生は死霊術師の範疇にはなく、神々や司祭達に残すのが最良のものだ。

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