一番古い記録
ついに作業を始められる。このアイレイドの遺跡は完璧だ。森の奥深くにあり、誰にも邪魔されない。ここの墓に吹き込められた死霊術の力を肌で感じる。準備があるのでこれくらいにしておく。
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マスターたちが遺跡にある複数の魔法の集束点を特定するのを手伝った。こういう場所では強力な力で地面が脈打つ。死者が生き返りたがっているのは間違いない。後で参考にしてもらえるよう、魔法の力が特に強い場所を図にしておいた。
儀式の構成要素の実験は明日始める。短剣に使う砥石を確保するように頼まれた。大変な名誉だ。マスターたちに認められているに違いない!
魔法はとても強力だから、成功は間違いない。じきにアンデッドの群れを好きに使えるようになる。

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マスターたちに信頼されているらしく、儀式の中でも特に重要なことを任された。呪文用の有機物を調達する仕事だ。最初は遺跡内の墓を調べたが、ここの死体は古い。儀式で目覚めることになるが、今はもっと新鮮な死体が必要だ。
代わりに我々から「提供者」を選ぶことにした。しょせん墓の先の人生が永遠に続くなら、一時的に新鮮な器など無用だろう?
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すべてが揃った。マスターたちは儀式用の道具を遺跡の死霊術の力に同調させた。私は呪文に力を注ぐための死体を提供した。明日、死者の再生を行う。
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何かとんでもないことになってしまった。いよいよ儀式を始める準備が整っていた。私は死体を正しい場所に置き、他の者たちと一緒に唱え始めた。死霊術の力が死体と遺跡の基盤にしみ込んだ時、突然強い光で目が見えなくなった。私は爆発で壁に叩きつけられ、意識を失った。
目が覚めると血と瓦礫に覆われていた。叫び声と争う音が聞こえた。敵の正体はわからない。他の死霊術師はほとんどが爆発で死んでいた。生き残った者はすぐに侵入者に倒された。デイドラのようだが、これまでに見たことがない姿をしていた。私はまだ気づかれていない。そうあってほしい。
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信じられないことだが、マスターたちが墓の下から蘇った。私は蘇らせていない。死んだ後でさえ、どうしても儀式を続けたいようだ。何か様子が違う。言葉が一部変えられ、レブナントがねじ曲げられている。私の知るアンデッドでも霊魂でもない。恐ろしい。この世のものとは思えないデイドラでさえ、もう手を出さない。
残されたのは私だけらしい。出口を見つけなくては。
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最後の記録
いよいよだ。逃げよう。もしだめだったら、この日記が自分の記録として残るだろう。
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