ラーレンに感謝しなければ! 彼がいなければ、私は今頃生きていなかったかもしれない。
いや、待って。話が飛んでしまった。最初から書かないと、後になって意味がわからなくなる。記録は得意ではないけど、これは重要なことだから。
遺跡に到着した後、しばらくは静かだった。遺跡は一般的に危険とみなされていない、コロヴィアの絵に描いたように美しい地区にあった。信奉者ラーレンと私は交代で周辺を巡回したが、過剰な警戒だと感じた。達人たちは遺跡の中へ続く古い扉の近くで、扉に刻み込まれたルーンをメモのルーンと対照させ、何か書き込んでいた。私はラーレンに休憩を取ろうと呼びかけようとしたが、その時ある達人が叫び声を上げた。
理由も方法もわからないが、彼らは扉を開いたのだ。予定にはない行動だったが、それだけなら問題はなかった。だが遺跡の中から怒れるゴブリン部族が押し寄せてきたのだ。イフレの髭にかけて、あんなに怒り狂った集団は見たことがなかった。確かによそ者がいきなり家に侵入してきたら、私も怒りはするだろうが。
達人たちは素早く呪文を唱えて身を守り、メモを胸元に抱きかかえて退却した。ラーレンは獲物を狩る狼よりも素早く、達人たちとゴブリンの間に割り込んで剣を振るった。気づいた時には私も彼の隣で敵の中にいた。信奉者の訓練がしみついていたのだろう。私の体は、精神が追いつく間もなく反応していた。
私たちはそうしてしばらく戦った。ラーレンと私はお互いをかばいつつ、ゴブリンと達人たちの間に緩衝地帯を作った。ありがたいことに、ゴブリンたちの数はそこまで多くはなかった。それにゴブリンは、どうやら遺跡に戻っていく様子を見せていた。
私は振り返って、達人たちが全員無事に逃げたかどうか確かめた。私の注意が逸れたのを見て、大胆なゴブリンが私の足首を捉えて地面に引きずり倒した。
信奉者訓練のルールその1、戦場では足を地面から離さないこと。やられた。最初の任務で命を落とすとは。しかもゴブリンごときに!
その時、自分がこんな考えを抱けるほど長い間倒れていて、しかもまだ死んでいないことに気づいた。そこでラーレンを見ると、彼の顔は集中で引き締められていた。ラーレンはゴブリンの群れを単独で食い止めていた。彼の顔は傷だらけで血にまみれていた。地面に倒れた私を守るために、あえて敵の攻撃を身に受けていたのだ!
それを見て私はすぐ行動に移った。飛び起きて立ち、剣を構えた。しかし起き上がる時に、何かが違うと感じた。お腹に鋭い痛みを感じ、指先がゾワゾワした。この感じは前にもあった。ごくたまにだが、魔術師ギルドのクラスルームにいた時だ。私に流れる魔力が、解放されるのを求めているのだ。
私は逆らわなかった。両手を伸ばし、エネルギーを外に向け、私が唯一得意とする魔術の要素に変えて放った。ポータルだ。
他の達人たちはためらわなかった。ゴブリンたちは退却していなかったので、これ以上調査ができないことは明らかだった。彼らは家へ戻るポータルに飛び込んだ。ラーレンはまだ戦っており、今や息を切らしていた。
ラーレンに呼び掛けると、彼は私が召喚したポータルを見て眉を上げたが、すぐに理解した。私に向かって短いうなずきを返すと、ラーレンは乱闘から逃れて頭からポータルに突っ込んだ。私もすぐ彼の後ろを追い、通り抜けた後に背後で魔力の流れを断った。最後に聞こえたのは、獲物に逃げられたゴブリンたちの怒れる叫び声だった。
***
この最初の任務について両親にどう伝えるか、まだ決めていない。ギルドによく仕え、達人たちを守ったことは誇りに思ってくれるだろうが、両親は私が守る側ではなく、守られる側にいることを望んでいる。それでも、最高の気分だった。ラーレンは私が素早く脱出させたことに礼を言ってくれたし、魔術師たちさえ私のポータルの能力に感心したようだった。
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