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賢者イリンのメモ

ミリスには造船のための木への付呪について、研究者の論文をもっと探してみると言っておいた。諸島には航海の文化があることを考えると、この研究領域は有益だと思われる。

しかし、彼女が自分の学生たちにこの分野を執拗に勧め、私に木のアルケイン的処理について何度も質問してくるのは、別の目的があってのことだ。我々は長い造船の歴史を持つ島社会だからとか、より優れた船を造ることが常に優先的課題だからというようなことが、彼女の関心の出どころだとは思えない。

むしろ、デュフォート家のどこかの勢力が後押ししている可能性が高い。ミリスは才能ある魔術師だが、政治に深入りしすぎているし、野心もある。より優れた船を作るための秘密を発見することは、測り知れないほどの利益と権力をもたらす事業になるだろう。私がまるで塔にこもってブツブツ言うだけの、老いて耄碌した隠者のように、そんな事業のための情報を手渡すと思っている時点で、彼女は驚くほどの無知をさらけだしている。

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