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書籍

狂乱のデンシル男爵、パート1

どれだけ優秀な一族にも、何人かは出来の悪い者がいる。名高いデュフォート公爵領の場合は何世代も前、デンシルという男がこの貴族の家系を継いだ。デュフォート家の長としての彼の残虐な支配は、一族の御用学者による必死の改ざんにもかかわらず、今日まで記憶されている。現在でさえナヴィール城周辺の別荘客は、子供が言うことを聞かないと「狂乱の男爵が小指を取りに来るよ」と言って脅かすのである。

これは、デンシル男爵が気に入らない者の指を誰彼構わず切り落としたという伝説に由来する。彼は最も小さい指から始め、より大きな指に移るのが伝統だった。理由を聞かれると、彼は処罰の相手が手を使い続けられるようにだと言ったという。つまり彼らは一族に仕えてもよいが、失われた指一本(常習犯は指数本)を見ることで、自分の立場を思い出せというわけだ。

ほんの数年前、とても小さな骨(おそらく指の骨だろう)が、ナヴィール城の地面に大量に埋められていたのが発見された。これで伝説が事実だと証明されたわけではないが、真実味は増した。

この滑稽なほどの大悪人の堕落や残虐性、暴力行為の数々を考えれば、現在の一族の指導者たちがこのような野蛮な懲罰から卒業しているのは、我々にとって喜ばしいことである。

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