書籍

高名な探検家の失われた物語:欠片5

ソリス・アデュロ 著

マティウスは旅仲間の悪臭のせいか、それとも再び沼を逆さまに通り抜けるという行為のせいか、吐き気を催していた。

ナメクジ生物ヌブタは笑った。
「これで分かっただろう。
この領域は広さよりも、深さのほうが大きいのだ」

マティウスにはさっぱり分からなかった。
彼らが、ヌブタの言い方では「河に滑り込んだ」のはこれで3度目だったが、これをやる度に方向を見失うばかりだった。
最後の時など、マティウスは自分が溺れているのを見ていたと確信したほどだった。

「夢を見ているようだった」
とマティウスは言った。
彼はせき込んでねばねばした水を吐き出した。

「夢を見ていたのだよ」

泥の王はそれ以上何も言わず、太い指で指し示した。
その先をマティウスが目で追うと、周辺の沼地を通る開けた道の上に、黒い石のアーチ形の道が見えた。
アーチ形の道には、蛇と根が互いに絡まり合っている姿が彫られており、頂点の部分には割れた舌を持つ頭蓋骨があった。
マティウスはここから先、一人で旅を続けなければならないことを理解した。
彼の案内人はこれから先を助けてはくれないだろう。
彼らはクスル・アクシスの門に辿りついたのだ。
まだ十分目的地に近づいていないのではないかと思い、彼は不安になった。

マティウスには考えがあった。
彼はヌブタに渡された黄金のアミュレットを取り出した。
「泥の王よ、あなたは自分の言葉を守った」
とマティウスは言った。
「私も自分の言葉は守る。
この宝石を黄金の都市に帰そう。
ただ、道を見つけられればだが」

ヌブタはゲップをしてうなった。
その奇妙な目はアミュレットを見て少し考えていた。
「影が滲み出る聖堂が見えるまで、道を外れずに行け。
それは死の場所だ。
中に入ってはならない。
聖堂の前に立ったら空に太陽を探し、その方向へ歩め。
着いた時は分かるだろう」

泥の王が突然這って河へ戻り、いなくなってしまった時、マティウスは抗議しようかと思った。
一瞬だけ、マティウスはパニックが胸をつかむのを感じた。
彼の仲間たちは一人また一人とこの旅を放棄していったが、マティウスは突然彼らが正しかったのではないかと考えた。
この任務を投げ出すこともわずかな間だけ考えたが、前に進む唯一の道は黒い石の道であることにすぐ気づいた。
川は足元で干上がっていた。

マティウスは勇気を振り絞った。
アミュレットは彼の手の中でぬくもりを放っていた。
彼はアーチ形の道に足を踏み入れて進んだ。

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