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書籍

セレンウェへの手紙

セレンウェへ

元気かしら。あなたの疑問に答えると、残念だけどラウリエルは良くなっていない。あの子はあなたをひどく恋しがっているけど、そのことはほとんど話さない。美しい声を聞きたくてたまらない! あの子が毎朝歌っていた、秋の頌歌を覚えている? 今でも時々口ずさむのが聞こえるけど、陰気な調子の歌になっている。

あの子には新しい友達ができたの。サンホールドから来た発明家よ。実を言うと、あの男を見ていると不安になる。滅多に口をきかないし、すごく変な服を着ている。それに臭いがあるのよ。彼の行くところはどこでも、鼻を突くようなカビ臭さがするの。二人は何時間も地下墓地で過ごし、呪文を鍛えている。どうしてそんな陰気な場所で訓練するのかあの子に聞いたけど、答えようとしないの。

何日か前、意を決してラウリエルにあの浮浪者と会うのを禁止しようとしたけど、やっぱりやめたの。毎日あの子は私から離れていくような気がする。あの新しい友達を奪ったら、完全に背を向けてしまうかもしれない。

あなたはあの子を誰よりもよく知っている。どうすればいいの? 不安でいっぱいよ。返事を待っています。

あなたの母
オハディル

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