暖炉の母よ、私を見つけに来て。
暖かい火とお腹を満たすスープを持って来て。
みんな寒くて空腹で、もうこれ以上歩けないから。
この探検に選ばれたとき、我々は誇らしく自信に満ちていた。
ソロウ登頂! 伝説の山頂に2世代以上ぶりに登頂したオークになれるのだ!
だが、ソロウがその恐るべき高さへの登山を拒んでいることに気づくと、瞬く間に自信は絶望に変わった。
先陣の2チームは、そう遠くまでたどり着けなかった。
分かっている限り、第1陣はハーピーやオーガに襲われ、第2陣はひどい強風と寒さに見舞われた。
ホーカー数人は哀れなことに、凍えるような霧に隠れていた断崖から転落した!
しかし、我々は怯むことも、コースを変更することもなかった。
今になってみれば、そうすべきだったと分かるが。
レディ・ローレントは我々を再編成し、カースサンは我々の功名心に訴えた。
我々は血にたぎる炎と夢の輝きとともに、再び山頂をめざして前進した。
雪崩でクーロンを失った。
雪と氷の下敷きになって彼女の両脚は折れた。
やむを得ず置き去りにし、山道を進んだ。
普通のコースなら探検隊は破滅していただろう。
もちろん、破滅は思っていた以上に近くに迫っていた。
我々はたいしたことを成し遂げたと言えるかも知れない。
実際、トラグの祠の扉にたどり着いた。
その碑文を見つけ、カースサンに教わったとおりにこすった。
曲がり角から3人組のオーガが現れたとき、中に入ろうとした。
勝利の確信もなく野獣3人を相手にする気にはなれなかったから、隠れてやり過ごすことにした。
だが、要領の悪いスキーヴァーのアーゴンが斧を落とした。
そのとき、登るより降りるほうが賢明だと思った。
ブロクークは最善の選択肢が、通り過ぎた洞窟に引き返すことだと思った。
洞窟にオーガが住んでいたとしても、隅に隠れ場所を見つけられるはずだと彼は言った。
それでうまくいっただろう。
もしも祠から逃げる時、物資の大半を失わなければ、もしも火を燃やすのに燃料を使い切らなかったら。
少なくとも我々は碑文をこすった。
カースサンがはるばるここまでたどり着けば、祠がそう遠くないことに気づくだろう。
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