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書籍

スコゾッドからの手紙

愛する息子へ

この長い年月の間どれだけお前に会いたかったか、言葉では言い表せない。
きっと健康で強く育っているだろうと想像している。
まだ乳飲み子だったお前を置いて行かねばならなかった理由は、ヤゾガから聞いていると思う。
私の聖域は子供には合わないし、私の仕事は父親であることを許さない。
私がロスガリアン山脈で最も恐れられる唯一無二の死霊術師スコゾッドであるということも、ヤゾガから聞いている頃だろう。
彼女はそう教えるよう言われていた。

だが彼女は話の半分しか知らない。
実は私は唯一無二のスコゾッドではない。
最も近くその称号を受け継いだオークに過ぎない。
私の本名はクログールで、ウェイレストの靴屋に生まれた。
スコゾッドの名を私に引き継いだのは大叔父で、今度は同じようにそれをお前へと引き継ぐ。

私は老い、もう長くないことは分かっている。
お前がスコゾッドになれば、アイレイドの遺跡はお前に反応し、ここの生き物たちはお前に仕える。
それだけでも今まで想像しえなかったほど強大な力となるが、一番の宝はその名前だ。
「スコゾッド」の名を聞くと誰もが恐怖で震え上がる。
お前に文句をつけてくる奴はいなくなるだろう。

権利を継承するのに必要なことは、お前の血を私の血と混ぜるだけだ。
この手紙に私の血を染み込ませているから、そこに自分の血を垂らすだけでいい。
私と同じくらい、継承した力を楽しんでもらえることを願っている。

父より

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