近頃、ウィールド全体で不吉な魔術が根を張りつつあるという噂が深刻さを増している。人々は何かを感じると言っている。肌がゾクゾクしたり、肝が冷えるような感覚だと。だが人々の話には共通点がある。それは4つの奇妙なモザイクの近くにいると、息苦しいほどの魔力を感じるということだ。モザイクは北に1つ、西に1つ、そして南に2つある。これは調査に値するだろう。
私の部隊は北に派遣された。この方面に向かうのは初めてのことだ。この辺りの地域は果てしなく広く、開けた土地だが、モザイクに近づくにつれ、狭苦しいような感覚が強まった。報告にあったとおりだ。
当初は、何も見つからないのではないかと思っていた。モザイクは確かに異様だし、空気は何か気味の悪いものを含んでいたが、我々は何を探せばいいのかわからなかったのだ。その時、空が開いた。
頭上の空が裂けて開いた。我々が押し込めていた息を吐く暇もなく、糸のようにうねる力が大きな裂け目から飛び出し、大地を割って突き出していたガラスの破片に取りついた。部隊にいた私のある友人が逃げ遅れ、ガラスが彼女の足元から吹き上がった。
突然の出来事のショックから立ち直った我々は、ガラスの粒に取り巻かれた小さな黄金の球体がいくつも、地面のガラス片から荒野に漂ってきていることに気づいた。球体はその背後に落ちたガラスの細い跡を残していった。まるでついてこいと我々を招いているようだった。少し話し合った後、我々は手分けして球体を追うことにした。
私と部隊の3人は草原の中で最も岩の多い部分を通って球体を追った。風の声は我々を追いかけて挑発し、我々は不気味な思いをさせられた。我々はしばらく跡を追って、大きな岩板の裏にまでたどり着いた。そこで見つかったのは、我々の誰もが予想だにしていないものだった。
我々は黄金の力の触手に包まれた巨大なドレモラが、様々な種類のガラスのデイドラに取り巻かれている光景に出会った。近くに寄るにつれ、我々が耳にした声はこのドレモラのものだったことが明らかになった。そしてガラスの跡の原因はこいつであることも――少なくとも、我々が追った跡は。ドレモラが我々の吸う空気にあれだけの力を注いでいるところからして、こいつは裂け目の向こうの領域から力を吸い取っているようだった。ガラスがドレモラの足元で拡散し始め、地面を這い回って触れるものすべてを破壊していった。
その後に起きたことはすべて私の責任だ。私は恐怖に襲われ、盾を落としてしまった。デイドラは盾が地面に落ちる金属音をすぐに聞いた。襲い来るデイドラに応戦したが、不意を突かれた我々に勝ち目はなかった。私は仲間たちが次々に倒れていくのを見て恐怖した。一人だけになった私は逃げて隠れた。自分が恥ずかしい。
こうして今、私は待っている。デイドラか、部隊の他の者に見つかるのを。どちらが先に見つけるかはわからない。スキングラードまで戻り、皆にここで見つかったものを告げるだけの体力が残っていればよかったのだが、今の私は酷く負傷して、衰弱している。私にできるのはここで待ちながら、見たものを書き記すことだけだ。
まだ答えの得られていない疑問が数多くある。あの巨大なドレモラは何かの儀式を行っていたが、何のために? 奴は単独で行動していたのか? ガラスの跡は3つあったから、あれと同じ奴が3体どこかにいるのではないかという気がする。
もし私がここから生還できなかったら、そして誰かがこれを見つけたら、どうか我々の努力を無駄にしないでくれ。
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