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書籍

ヴェヨンドの伝説

イレルニル・デュレリによるガイドと怪談

崩れた壁の奥深く、記憶が語ると言われ死者が生者と交流する場所では、他に類を見ない財宝が待っている。その起源は知られていないが、ヴェヨンドの遺跡に踏み込む勇気を持つ者たちが、遠い昔に死んだ者たちから語られた言葉を持ち帰っている。

もっとも注目すべきは、療養中の母の病の治療法を求め、怪物や夜の獣と戦いながら広間を進んだ若き冒険者の幽霊だ。彼は地中に埋められた回廊で敵と戦う姿を見ることができる。彼は毎回襲撃にあえぎ、まるで声が聞こえているかのように母と話す。あたかも自分が戻ることを伝えて安心させるかのように彼女と話す時もあれば、怒りに満ちた魂をなだめようとする頬につたう涙が見られる時もある。

遺跡の別の場所では、岩場の間に遊ぶ子供たちの声を聞くことができる。鍛冶屋の槌の音が聞こえることもあるが、それは星が雲の向こうに姿を隠した夜だけだ。さらに珍しいものとしては、嵐の間、雷が壁の割れ目を走る直前に、詠唱し、未知の言葉で話す声を聞くことができる。ヴェヨンドが他に何を抱えていようと、はっきりしていることがある。この場所が黙って死者やその秘密を放棄することはない。

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