書籍

ク・ヴァステイ:必要な変化

魔術師ギルドの秘術師、道を照らす者 著

私の民の文化を記述するのは困難である。
説明しようとすると舌が動かなくなることも多いが、インクと筆が私に考えをまとめる時間を与えてくれることを願う。
こうした執筆により、私の故郷マークマイアと、魔術師ギルドにおける私の新しい生活が繋がるかもしれない。

この日誌は私のク・ヴァステイとなるべきものだ。
これを書くにあたって、これ以上の主題は思い浮かばない。

ク・ヴァステイは大まかに「必要な変化の触媒」と翻訳できる。
しかしこのように直訳しても、本来の意味は正しく表現できない。
他の訳としては「変化が起きるための必要な道を生み出すところのもの」、あるいは「存在へと来たるべき炎を点火する火花」も可能だろう。

おそらく、より直接的な分析を最初に提示しておくべきだろう。
ク・ヴァステイは名詞であり、物か人を指す。
ヴァステイを直訳すれば変化であり、それは私の文化の重要な部分である。
クのほうは説明が難しい。
それは変化を導くものであるが、変化を生み出すものではない。
重要な役割でだ。
停滞は死よりも悪い運命だからだ。

崖の頂上でぐらつく大岩を例としよう。
岩はいつか落ちねばならない。
ク・ヴァステイは岩を押して崖から落とさない。
むしろ、岩をその場に留めている小石を取り除く。
すると岩は落ちるが、押されたからではなく、道が開かれたからだ。

ク・ヴァステイは崇拝される。
変化自体が崇拝されるように。
過去を振り返ることは、未来へ進む道を躓かせることだからだ。
正しい方向へ少し押されるだけで、こうした叡智を思い起こさせることもある。
そうでない場合は、強く押されなければならない。

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