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書籍

ウェイレストへ捧ぐファランゲル王の頌歌

これは余の初めての詩作の試みである。
これらの言葉は歴史に名を残すであろう。

「猛烈な波がうなり、暗闇のかかった海辺に寄って砕ける。
汝の塔の光は天空に輝く星々にも匹敵し、
その光は影の入り江において倍増される」

だめだ。
これはいかん。
これでは高尚すぎる。
余はこれを皆が共感できるものにしたいのだ。
歌ではどうだろう?

「もしも余に娘がいたら、きっと彼女はこう言うだろう。
ウェイレストの男に、毎日一緒にいて欲しい!
そしてもし息子がいたら、きっと彼は望むだろう。
ウェイレストの女と、毎晩一緒にいたいって!」

おっとっと。
変な方向に行ってしまった。
それもすぐにだ。
書記よ、どう思う?
何か考えはあるか?

「「ウ」は麗しいこの街の「ウ」
「エ」は偉い王様ファランゲルの「エ」
「イ」は行きたくない場所ダガーフォールの「イ」、
あの汚くて臭い貧民街」

よくわかった。
これではどうにもならん。
こういうことは吟遊詩人に任せるべきだと思う。

なぜまだ書いているのだ?
書記よ、確かに余はすべて書き留めろと言ったが…
よいか、命令に従わねば死刑にするぞ、止め――

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