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書籍

クンザ・リ: 第一の物語

クンザ・リと12匹のオーガ

十六王国伝説の保管者、アネシによる複写

ある日、クンザ・リはデューンの近くにある僧房に立ち寄り、長く辛い旅の後の休息と食事を求めた。運悪く、その僧房は12匹の涎を垂らしたオーガに占領されていた。

「これはまずい」とクンザ・リは貪欲なオーガたちが建物を蹂躙する姿を近くの丘から眺めて言った。彼はオーガたちがムーンシュガー・ダブルラムの店に押し入るのを見た時、とりわけ心配した。彼はアデプトの強い酒を特に楽しみにしていたからである。そこでクンザ・リはいい考えを思いついた。

「おお、勇敢にして強大なオーガたちよ」とクンザ・リは呼びかけた。「お前たちが見つけたその樽。ラムが傷んでいるのが分からないか? 私はここからでも、その液体が悪くなっている匂いが分かるぞ!」

「傷んでいるだって?」と一番大きなオーガは疑わしそうに言った。「そんなことが分かるものか。まだ樽を割ってもいないのに!」

「私がカジートだと、見て分からないか?」とクンザ・リは誠実そうに尋ねた。「そしてカジートは、嗅覚が特別に優れていることで有名ではないかな?」

「それは本当だ」と別のオーガが言った。「猫と匂いのことはみんな知ってる」

「でも俺は喉がからからだ!」と一番大きなオーガは文句を言った。「傷んだラムなんて飲みたくないぞ!」

「私に考えがある」とクンザ・リは言った。「ここからすぐ近くにネードの砦がある。彼らはラムやその他の酒が詰まった倉庫を丸ごと1つ持っていて、私が通った時は、傷んでいる匂いは全くしなかった。反対に、全て美味な香りがしたものだ!」

それを聞いて喜んだ一番大きなオーガは、アデプトのラムのことなど忘れ、ネードの砦に向かって走った。一瞬の躊躇もなく、残り11匹のオーガもそれに続いた。

「さあ」とクンザ・リは言った。「樽を空けて飲もうじゃないか!」

「しかし、オーガは?」

「オーガだって? もうあれはネードの問題だよ」こうして、クンザ・リは樽を丸々1つ飲み干しにかかった。ジョッキに1杯、また1杯と注ぎながら。

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