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書籍

クンザ・リと迷子のアルフィク

十六王国伝説の保管者、アネシによる複写

ある日、太陽が一番高い位置にある時、クンザ・リは道の脇から弱々しい声を聞いた。

「どうして家を離れてしまったんだろう?」声は言った。

「なぜ家にいたい?」クンザ・リはその声に向けて、質問を返した。

「ああ! 見つかっちゃった!」

そして、小さなアルフィクは見つかってしまった。クンザ・リは片手ほどの震える塊を調べた。絡まった毛並みに、イガや小枝やあれこれが刺さっていた。「遠くから旅してきたのか?」

「ええ。聖堂に送られる前に世界を見たかったの」

「それは尊敬に値する、小さな者よ。でも、なぜ家を離れたことを悲しんでいる?」

「迷子になってお腹をすかせてるからよ」

「ああ、空腹はすぐに解消できる」そしてクンザ・リは若いアルフィクの前に美味しいフィッシュケーキを置いた。「迷子については考えてほしい。今はいるべきでない場所にいると思っているのか?」

食べながらアルフィクは言った。「いるべき場所ではないと思う。ここがいなければならない場所だったら、きっと分かるでしょう?」

「そうとは限らない。迷ったと思うのは、恐怖や混乱に襲われていたからそう思えるのかもしれない。代わりに、どんなふうに世界を見たいのか考えてごらん… ほら、ここでも世界を見ていることになる」

「私が迷子なのは、迷子だと考えているからに過ぎないと言っているの? 私は今望んでいたことをしているから、迷子ではないって?」

「それを決めるのはお前だ。それだけだよ!」

「なら、私は迷子じゃないわ!」

クンザ・リはクスクス笑った。「よかった、迷子でない友よ。しばらく一緒に私と旅をしないか? 私も今は、世界を見たくてたまらない」

そして若いアルフィクはクンザ・リと同行し、2人は多くの冒険を一緒に楽しんだ

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