この先で生き物を見つけるとは期待していなかった。
しかし、オークかオークのようなものが、こちらをひと目見るなり襲ってきた。
私たちは退却して体制を立て直した。
道を切り開くべく傭兵達が先に進んだ。
* * *
シノサリオンはあの青白いオークに執着している。
私はただ眠りたかったが、彼がオークの死体の1つにぶつぶつ語る声が聞こえる。
気持ち悪い。
それでも彼らは間違いなくオークのようだが、壊れ変貌していた。
エルフの見解では、傷から見て体を何度も切り開かれては何度も閉じられているらしい。
手足を失っている者も、別の部分を失っている者もいる。
もうこれ以上知りたくない。
* * *
寝つけない。
* * *
グラーバシャとドランドがまた議論している。
彼は続行を望んでいる。彼女は撤退を望んでいる。
彼女を非難できない。この少し先には何かがいる。
どこのドワーフの遺跡も不気味だが、ここは特別だ。
空に向かって開け放たれている部分が、どことなく重苦しさを感じさせる。
威圧感がある。
* * *
頭の中から声が聞こえてくる。
罠にかかったと。
ここから出られないと言っている。
酒が欲しい。
* * *
日記を見つけた。
筆者は、あの青白いオーク達を切り刻んだ者だ。
何が書いてあるのかほとんど理解できない。
シノサリオンに見せようとしたが、結局、シノサリオンに言葉で説明するはめになった。
* * *
日記を失った。
日記を拾って以降、コンストラクトに素知らぬ顔をされながらも、監視され、跡をつけられているのを感じた。
日記を放り捨て洞窟に隠した。
すると追って来なくなった。
仲間を見つけなくては。
ここを立ち去らないとまずい。
* * *
私達はルキンダレフトに来るべきではなかった。
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