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書籍

魂縛に関するギルドの覚書

魔術師ギルドの覚書: 機密事項、賢者のみ閲覧可

アークマギスターの名誉教授、ヴァヌス・ガレリオンより

ギルドホールにおける呪文の人気や流行に注目している者なら、「魂縛」の訓練に対する最近の関心の高まりに間違いなく気づいているはずだ。魔術師仲間の間で現れては消える他の一時的な流行と違い、この流行に関しては不安と危険を感じる。

魂縛が魔術師ギルドのメインカリキュラムに組み込まれず、最も経験があり信頼できる魔術師にのみ教えられ、その上で特定用途にだけ使用が許されているのには理由がある。第一に、それが厳密には死霊術の一部であり、それだけで非難されるものであるということ(前述のとおり、管理された条件下での特定用途の使用を除いて)。第二に、特に感情のある定命者の魂縛に使われた場合、実質的に悪用を招く魔術であること。これは世間が最も恐れる類の魔術であり、その結果、各地域で組織立った魔法教育が禁止される恐れがあり、もしそうなればギルド設立のための尽力が無駄となってしまう。

どんな市場やバザーでもいわゆる「秘術師」が様々な大きさの魂石を売っているほど、魂縛がタムリエルの魔術師の間でもはや常識であるという事実に関しては、不道徳なマニマルコと黒き虫の教団に責任がある。死霊術を一般的でほぼ無害なものに見せることは、奴の計画の一部である。タムリエルの一部地域、特にシロディールでは、堕落した死霊術の実施が正当で合法な魔法訓練として受け入れられてさえいる。この有害な変化についてかつての指導者のイアケシスなら何と言うか、考えたくはない。

それではどうすればいいのか? 発生し続ける虫の教団を根絶する合間にこの件について熟考してきた結果、現時点で魂縛を管理する唯一の方法が、この魔術の併合であると考える。よって魔術師ギルドが様々な魂縛の魔法を成文化・体系化して幾つかの信頼できる呪文から成る公的なグリモアを作製し、そこに記されたものだけが合法かつ公認の魂縛の方法であると仲間に教えることを提案する。

さらに、魂縛の対象としてすべての魂を2つの階級に分けることを提案する。獣や動物から捕らえられたより小さなエキスである合法の「白い」魂と、感情のある定命者から抽出された非合法の「黒い」魂と。我々は白い魂を捕らえる呪文だけを教え、生徒には大きな魂石を感情のある者に使うことを禁じる。

この二分法が魂縛に関する全タムリエルの基準となるには、幾つもの世代交代と虫の教団の鎮圧が必要となるだろう。だが、魔術師ギルドがタムリエルを長い目で考えることができずに、他の誰ができるというのだ?

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