スポンサーリンク
書籍

グリフォンの寓話(注釈付き)ページ2

<ページが本から破り取られている>

…狐がザリアを酒場から引きずり出してきたのを見て、彼らは口をぽかんと開けた。この狐が言葉を話すのを聞いていたら、彼らの酒が口からこぼれ落ちていただろう。

路地の闇の中で、ハチミツ酒で酔っ払って感傷的になったザリアは友人の毛皮に顔をうずめて泣いた。「クロウズウッドに連れ戻されたかと思った!」と彼女は叫んだ。「盗賊の言葉を理解できると思わなかったの」

「大丈夫」とグレイは一蹴した。「でもそんなふうに飲むような金はないだろう。グリフォンの宝なんて、3つすべてを見つけないかぎり無価値だ。聞いてるか、リア?」

ザリアは聞いていなかった。目には以前のような光があり、星の光をつかもうとするように手探りした。「ここよ!」と彼女は言った。「この街にある!」

グレイは辺りを見渡した。「そんなことがありうるのか? 街がここに出来る前の時代に置かれたに違いない」。グレイは暗い運河を見下ろした。「湖だってあったかどうか」

ホンリッチ湖でしょう。リフテンの話よ。

「サイのご加護を」とザリアが言った。結界を破り、ちょうど夜が明ける中で宝を見つけ、影を追い返した。

「あともう一つだけ」とグレイが言った。「そうしたら扉を見つけて、グリフォンに殺されるだろう」

「でも」ザリアは反論した。「私たちはただ見ていればいいのよ。グリフォンの爪を夜の淑女に向けさせる。私は伝説の生物の力を求めてるわけじゃない。逃げなくても生活できるようになりたいだけ」

グレイは彼女の輝く目を見上げた。「引き返そうかな。まだ遅くない」

だがザリアは聞く耳を持たなかった。「いいえ、あなたはずっと影に閉じ込めておくには優しすぎるし賢すぎる。大丈夫。絶対にうまくいく」

コメント

スポンサーリンク