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書籍

スロードに関するさらなるメモ

発明家テレンジャー著

スロードとマオマー: スロードは他の定命の種を敵と認識しているが、スロードとマオマーの間に外交的な繋がりがあることが確認されている。ナメクジとシーエルフが衝突を起こすのは日常茶飯事である。驚きはない。そもそもシーエルフとスロードは現在、他の種族全てと戦争状態にあるのだ。マオマーの不満の原因は、沼地に覆われた薄暗い群島ピャンドニアだと思われる。酷い悪臭がするあの島で、彼らは身動きが取れなくなっている。スロードが他の種族を敵視している理由については、明らかになっていない。

珊瑚の塔: 珊瑚の塔は全旗海軍のスラス侵攻により崩落してしまったため、この塔については今ある知識に基づいて推測するしかない。我々にしてみれば正道とは言いがたいがが、スロードは非常に有能な魔術師の集団であり、珊瑚の塔には神秘の力を集めて投射する力があったとされている。私は塔の伝説の専門家ではない。興味があるのはもっと現実的なものだが、神話歴史学者たちによるこの主張は、いわゆるニルンの塔の目的と実践に(ほとんど)一致するものである。珊瑚の塔はサマーセットにある法の水晶のような「本物」の塔だったのだろうか? それともドゥームスパーアーのような、不完全な模造品だったのだろうか? 我々の知識で、その答えは見つけられないだろう。

スロード石鹸: とにかく推測はもうたくさんだ。たまには、自信を持って説明できるものも取り上げてみよう。今回はスロード石鹸だ! スロード石鹸の起源についは多くの誤解があり、それを洗い流す機会を与えてくれたことを嬉しく思う。まず、スロードの生物学的変質について考えてみよう。彼らはスラシアの珊瑚島で生まれる。ベンドゥ・オロ提督は彼らについて「不快で形を持たない小さな幼虫」と説明している。優柔不断な親に見捨てられた幼虫は海までなんとかして這っていき、「ポリウィグル」と呼ばれる水生の疑似頭足類に変態する。成体のスロードは肥満体であるため、珊瑚島の浅瀬から動くことはほとんどなく、そこでポリウィグルと一緒にゴロゴロしている。鈍すぎて親たちの偽足を避けられなかったポリウィグルは、そこで捕らえられて収穫される。これにより弱者は排除され、スロード石鹸の原料となる。

捕まったポリウィグルは常時沸騰している大釜に入れられ、徐々に溶解していき粘液性のスープとなる。このスープにスロード秘伝の物質を加えて錬金的な混合物を精製したら、金型に流し込んで冷えるまで待つ。固まったらこの塊を取り出して、ハグフィッシュの内臓で包み込んで保管する。

この石鹸はスロードの黒魔術的儀式になくてはならないものだと考えられている。黒魔術に詳しいわけではないが、自らの子孫を原料とする乳化試薬に不死者の魔力を増強する力があってもおかしくはない。スロード石鹸はスラス以外で滅多にお目にかかれないが、あったとしても法外な価格で売られている。錬金術師たちはそれが持つ特殊な能力を活用して、敏捷の薬や最も貴重な人格変異の薬を作り出す。錬金術サピアルチの赤きアリアノラによれば、スロード石鹸はスラス以外の土地でまだしっかりと分析されたことがないらしい、つまり未知の錬金術的性質がまだたくさん含まれている可能性もあるということだ。また、この石鹸は非常に優秀な洗浄能力を持っており、奥深くまで優しく浄化してくれるため、これを使うと肌が若返って生まれ変わったような気分になれる。

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