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書籍

インドリクの寓話(注釈付き)

夜明け近く、狩人はいい採石場を探して緑の水の中を移動した。
タムリエルにいるのは確か。グリーンウォーターの入江? ドーンブレイク? オーリドンに違いない。

地面までつく長いスカートを着て、身動きしない淑女に遭遇した。
ムンダス・ストーン。南の、小さな採掘集落から川を渡った所にある、小さな池の中の島にあるのを見たことがある。

その背後に何かが集まっていた。蹄と羽根と大地の骨の獣だ。近づきすぎると吠えて追い払ってきた。狩人は泥とやぶの中を追い返し、月のような灰の石の輝く広間の中、クランダの琥珀の光のそばで地面の中に追い込んだ。
この獣はインドリクに違いない。「月のような灰」はオンディルの遺跡を思わせる。

長い脚の獣は自分よりさらに長い影を落とし、狩人と戦わせた。両者は再び、かつては巨大だった塔の重みで沈められた島の遺跡の中で顔を合わせた。残っていたのは中央の星明かりの泉だけだった。
東沿岸、ブラニイム。塔はないが古代の力の井戸がある。

その獣は走らなかったが、狩人が近づくと凝視した。
「なぜ追ってきた?」と獣は聞いた。
「いい採石場を探していた」と狩人は答えた。
「私は弱く、この世界に慣れていない」と獣は言った。「小さくて弱い」
「お前が大きくなるのを待っていたら動けなくなる。それに走ることはできただろう」と狩人は言った。「誰にも追いかけられなかったら、力の持ち腐れだ」
「一緒にこの井戸から飲め」と獣。「お互い今回の追跡で力をつけた」

敵同士の両者は首を曲げ、星明かりの井戸の水を飲んだ。元気が出た両者は仲間として顔を上げて再び走り、川を越え、水しぶきを上げながら淑女のスカートを通り、海へと突き出した高台で足を止めた。

地図を確かめた。この寓話が書かれた時、ここは島でなかったのでしょう。今はオーリドンの南西の岸で、灯台がある。扉がまだあることを祈ろう。

ずいぶんと変わったものだと、同じ過ちを繰り返す代わりに歩調を合わせ、森の空き地に足を踏み入れた狩人は思った。

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