書籍

壁の目撃者

昨晩兵士が農場に到着した。みな公爵の制服を身に着けている。今季税金をちゃんと払ったかどうか思い出そうと心臓がドキドキしたが、それが目的じゃなかった。柵を取り外すように言われたから、土地を区画整理し直すのかと聞いたら違うという。 集められるものは、すべて軍に。異教徒のロングハウス帝と戦争になるのだ!

* * *
家族で荷車を積み上げた。日暮れまでにヴァレン公爵の野営地に着くだろう。

* * *
思ったよりテントが多い。荷車もだ。見知った人もいるが、他は国の一番遠くから来たに違いない。ヴァレン公爵による軍の招集が届いたのだろう。皇帝にも知らせは伝わったのだろうか。

* * *
軍は帝国軍をコロヴィアに近づけないと決めた。ここを防衛線にするため、休むことなく要塞を築いている。石を積んだ私の荷車を1時間近く調べ、浮石を見つけて集めるよう言った。我が家の柵を取り壊すしかないようだ。

* * *
妻と隣人の何人かが取り壊しを手伝ってくれた上に、荷車を提供してくれた。残念だが、この石は家畜を歩き回らせないようにするより、薄汚いリーチの民を祖国に近づけない方がより役立つ。

* * *
見て楽しいような物ではないが、壁は日々圧倒的になりつつある。今では身長より高く、果てが見えない。私には分からないが公爵には考えがあるのだろう。帰るには暗すぎるので、一晩荷車で過ごすことにする。

* * *
兵士から野営地に招待された。マーラのお恵みを。寝台や、最低でも干し草の山なしに一夜を過ごすには年を取りすぎた。日夜レンガを運搬している彼らは疲れているようだ。公爵は交代制で働かせている。戦が近づきつつあると思っているのだ。その時はここにいたくない。

* * *
浮石を探すためにまた外へ出た。 家を解体して敷石を剥がしても石が不足しているので、できるかぎりのことをした。仲間の中には、古い遺跡から取ってこようという者もいる。

* * *
古いエルフの家など知ったことか。全く構わない。手当たり次第に石を荷車に投げ入れ、何かが怒り出す前に帰ろう。

* * *
最後の荷を運んだ。荷車が今にも崩れ落ちそうだ。私のここでの仕事はすぐに終わる。ヴァレン公爵の仕事は始まったばかりだが。八大神の恩恵を受けた彼らが、忌々しいリーチの民を北方の腐乱死体の小屋に送り返してくれますように!

* * *
帝国軍だ! 帝国軍の行進が確認できた。壁はしっかりしているようだが、荷車を見つけてここを出なければ。

コメント

スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました