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書籍

メエルーンズ・デイゴンの叙事詩、第2巻

目覚めの炎教団の歴史家、ヴァレンタイン・リオレ著

この書の前巻は私の即座な死で終わらなかった。ただし高貴なる王の行いと御業を書き記したという僭越さによって、我が命は奪われて然るべきだ。私はさらなるメエルーンズ・デイゴンの物語を書き続けることに決めた。この著作が破壊のデイドラ公の遠謀を高めず邪魔になるようなことがあれば、私は喜んでその生命を再び彼の怒りの炎に引き渡そう。デイゴン卿、どうか心置きなく我をいずれ罰したまえ。

さて、デイゴンの戦闘での信じがたい勇ましさを知っているだろうか? 洪水と炎の王の業に関して、畏怖の心をかき立ててやまない物語は枚挙にいとまがない。モーンホールドはデイゴンの怒りを買い、破壊されたことを忘れていない。有名な過去の勝利を蒸し返し、我が王の周知の機略をうそぶくのではなく、新しい物語を語ろうと思う。戦いと、血と、勝利の物語を。デイゴンが恐るべき戦いに打ち勝ち、忠実なる者をモラグ・バルの虜囚から救出した物語を。

コールドハーバーの奥深くで、デイドラの監督官に厳重に監視され、真の信仰者の一団が苦しめられていた。意識ある限り彼らは苦痛にさいなまれたが、メエルーンズ・デイゴンこそが真実であり、彼らと共にあると確信していた。信仰者たちは彼の炎を頼りに暖を取り、捕らえた者どもに破壊的な変化をもたらすため執念を燃やした。この信心深く、先見の明のある定命の者は誰一人としてコールドハーバーから逃れられると思っていなかったが、機会さえ巡ってくれば信じがたい破壊工作と殺戮をやってのけられると信じていた。そこで、彼らは時節を待った。策を練り、血と破壊のデイドラ公に祈り、襲撃の機会に備えた。

一部は信仰を失った。彼らの決意は神聖なる海の星々のように砕けてしまった。だが一団の中でも最も正しき者たちは信仰にすがり続けた。その決意と献身は彼らに信じがたい爆発を授けた。大地を揺るがす魔法の奇跡によって、監督官たちは苦痛を与える器具を取り落とした。一団は団結して飛び掛かった。彼らの襲撃の後には炎が尾を引いた。忠実な一団が苦痛を与える者たちへ反撃したのを目にして、他の囚人たちも立ち上がって彼らに加わった。

定命の者たちの頭上、デイドラとコールドハーバーの山の向こうから見下ろしていたのは大崩壊の父だった。デイゴンの振るう剣は素早く鮮やかで、その腕が霞んで見えた。モラグ・バルの凶悪な尻尾が大地を薙ぎ払い、苛立ち紛れに定命の者や手下を叩き潰した。デイドラ公たちはぶつかり合い、互いを打つ音が雷鳴のように領域中に響き渡った。

最終的に、モラグ・バルが勝ったように見えた。魂の収穫者は山羊のような頭を上げ、憤怒の雄叫びをあげた。一瞬、全てが静寂に包まれた。地表の争いは奴隷たちとデイドラの監督官が共倒れになって終わった。彼らの手は血が流れる耳を押さえつけていた。デイドラ公たちが戦っていた場所に近すぎた哀れな連中は、瓦礫に埋もれていた。彼らは雄叫びの力で、体が粉々になったのだ。

だが、斃れた者たちの遺体の中にデイゴンの真の信仰者はなかった。彼らはデッドランドの熱で目を覚ました。最も賞賛されるべき者は、幻影だけでデイドラ公と戦ってのけながら、彼らをモラグ・バルの束縛から逃れさせたのだ。だから我々は、メエルーンズ・デイゴンに従っているのだ。

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