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書籍

エメラルドアイの魔術師の日記

ナバイル卿はどうしてもマーテラーに母親の後を継がせるつもりだ。卿はマーテラーを適度に隔絶された場所、すなわちモタリオン・ネクロポリスに移動させた。すぐ近くで見ない限り、変わった墓の扉が増えても誰も気づくまい。よって邪魔されることはないだろう。覚え書きのため、周辺の地図を描いておいた。ここで扉を探すのは、控えめに言っても難しい。

マーテラーは未だに協力の姿勢を見せない。眼に直接影響されるか、私の説得スキルをかなり駆使しない限り、彼女は相変わらず自分の名前をソングだと主張し、束縛から逃れようと試みる。私は彼女の血を使い、さらにネクロポリス自体にいる死者の力を引き出して、周辺領域に監禁結界を設置した。彼女が幻視と遺物だけに従うなら、苦痛も和らぐのだが。

次の儀式についての計画を話し合うため、ナバイル卿と会うつもりだ。マーテラーに最後の幻視があってから、そろそろ一週間になる。彼女の意向など関係ない、遺物とは交信してもらう。

彼女に選択肢はない。

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