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フロント・マエシリウスによる実地研究メモ
西アビシアン海のサンゴ礁や海岸で見られる一般的な捕食生物であるオルナウグは、研究者に対していくつかの難しい問いを提示している。オルナウグは犬の体と足を持ち、ワニの顎を持ち、魚のような滑らかな鱗と針のようなヒレを持つ。明らかに水中での生活に適していながら、オルナウグはその生涯の大部分を水の外で狩りと採取をして過ごす。さらに見つけたものは何でも食べるほどの適応力を有するが、容易に家畜化でき、主人との間に強い絆を作る。オルナウグはこのように、複数の点で既存の枠に当てはめられることを拒むのである。
解剖してみると、オルナウグの分類は明らかになる。魚のような外見をしているが、オルナウグは高度に発達した大気を呼吸する生物の肺を持っている。また水棲生物は湿った柔らかい皮膚を持つのに対し、オルナウグの鱗は明確に乾燥していて硬い。蛇の皮膚に似て、見た目が光沢を放つだけである。この生物は魚でも水棲生物でもなく、水中や水辺で過ごすことの多い両生類なのだ。
もちろん、これと似たような適応能力を示す水棲の哺乳類は数多く存在する。例えばアシカやホーカーである。こうした哺乳動物と同様、オルナウグは瞬きする膜で水中にいる時に目を保護し、鼻は水が入らないように閉じ、さらに泳ぎを補助するヒレを持っている。だがアシカやホーカーとは違い、オルナウグには断熱効果の高い脂肪も、強力なヒレ足や尾もないため、水中ではそれほど機敏に動けない。
野生のオルナウグを忍耐強く観察することで、こうした謎は解明される。オルナウグは獲物を水中で狩るのではなく、海辺で拾い集めるのである。オルナウグが水に入るのは単に新たなサンゴ礁や島の海岸地域に移動するためであり、事実、断熱性に欠けるオルナウグの移動範囲は温暖な海域や浅瀬に限られる。オルナウグは完全に地上で生きる動物に比べると優れた泳ぎ手だが、水泳よりも走るほうがはるかに得意である。
(実地研究者は飢えたオルナウグの群れに出会った時、以上の観察を心に留めておくといいだろう)
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