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書籍

虚ろなる者の成長

我らのヒストは無駄と、他の部族たちの我がままを認識している。
彼らは太陽に愛された自らの地で、豊穣な生活を楽しんでいる。
彼らのヒストは何も求めず、彼らもまた何も求めない。
卵でさえ有り余っており、奴らのヒストは何の使い道も持たないほどなのだ。
巣全体が捨て去られ、忘れ去られている。
深い沼のリヴァイアサンに子供たちの集団が飲み込まれる苦痛を彼らは知らない。
枯れた根も正しく世話すれば生命を得て膨らむことを忘れているのだ。
私はあの虚ろなる殻のために目的を見つけてやろう。
そうすれば、我々のヒストは再びその根を価値ある子どもに巻きつけてくれるだろう。

失敗。大量の失敗だ。予測済みのことではあった。
虚ろなる卵に真の生命を吹き込むのは、捨てられた肉体をなだめすかして生者の行動を思い出させるように単純なことではない。

ブラックトングの霊薬は卵の成長を促進するが、荒っぽく無秩序な代物だ。
腫瘍に似た原始的な肉の突起は、私が探し求めていたものから程遠いが、生命は生命だ。
必要なのは導き手だ。何をすべきなのかは分かっている。

サクスリールになるはずだったものの萌芽は見える。
最初は歯や鱗、あるいは背骨が、形を成さない塊に混じって卵から孵る。
樹液は何をすべきか知っている。しかしまだ要素が足りない。
時が来れば、この謎への答えが分かるだろう。

私は生命を創造した。短い命だったが、命には違いない。
孵化したサクスリールは奇形であり、数時間生き残った者は少数だが、私は正しい道を進んでいる。

これらの卵を次々に孵化していったことで、自分が探し求めているものからどれだけ遠くにいるかようやく理解した。
困難を乗り越えるたび、それが前回の困難とは比較にならないほど大きなものだと分かる。
子供の成長を促進させることで、生き延びるための体の組成を与えてやることはできたが、身体的な異常を排除してさえ、やはりあれは虚ろなる者だということが明らかになった。
サクスリールなのは形だけだ。
一歩ずつ目標に近づいていると自分に言い聞かせるしかない。

孵化を生き延びた虚ろなる者を檻に入れねばならなかった。
中には知能と言わないまでも、本能を備えているものがある。
我々には見えないものに引き付けられているらしく、いかなる干渉に対しても敵意をもって反応する。
貧弱な個体であっても適切な監視にはあまりに労力を必要とする。
すでに1人以上を失っていると思うが、これほど失敗が多いといちいち考えていられない。

今日のことは勝利とまでは言わなくても、誇りに思っていいだろう。
ヴィーシュクリールの儀式を私の錬金術と組み合わせることで、健全なサクスリールを1体作れた。
虚ろなる者に比べればおとなしいが、目には認識の兆候が乏しい。
魂は感じられるが憑依に欠陥があるのか、それとも体がやはり適さないのか、何とも言い難い。

安定した調合法を手にしたが、儀式に順応することに関しては全く進展がなく、以前の成功例も感知能力の改善を一切示していない。
私はこの道を進んだことで、あまりに深い沼に沈み込んでしまったらしい。
一歩退いて、他の道を探すべき時が来ている。

私の霊薬の限界を試すために少なからぬ数の卵を失ったが、卵の供給は続いているし、犠牲を払うだけの価値はあった。
卵のうち2つからは、これまでに見たことのないサクスリールが生まれた。
他の虚ろなる者とは違い、青白くない。
体の模様には鮮やかな色が付いており、皮膚からは我々にとってさえ致命的な調合薬の成分が発散されている。
安全な研究のため、私は隔離しておいた。

この新しい調合法にはかなり期待をかけている。
卵の成長はあらゆる期待を上回るものだ。
魂の拘束の儀式も同じような結果を出せればよいのだが。

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