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書籍

カラスとレイヴン: 3つの寓話

カラスとレイヴンが、魚を追って水に飛び込むウを見ていました。「俺も水に飛び込めたらいいのにな」とカラスが言いました。「俺だって魚が食べたいよ」「ええ?」とレイヴンが言いました。「ウはあなたがやれないようなことをやれるって言うの? バカげてるわ。あなたはウよりずっと優秀な鳥じゃない」「それもそうだな!」と言うと、カラスは水に思いきり飛び込み、一瞬の後、激しくもがきながら水面に上がってきました。近くにはレイヴンが立っていました。「レイヴン!」カラスはあえぎながら言いました。「なんであんなこと言うんだよ? 溺れるところだったぞ!」レイヴンは肩をすくめて言いました。「鳥が食べたくて」

カラスとレイヴンが、浅い水たまりで水浴びをするナゲキバトを見ていました。カラスは「俺も水浴びするか」と言って舞い降りると、水たまりの中で勢いよく水を跳ね上げ、レイヴンの隣に舞い戻ってきました。「前よりいいだろ!」とカラスが言いました。「何で?」とレイヴンが言いました。「羽もくちばしも目も、前と同じく真っ黒じゃない」「そのとおり」とカラスは言いました。「でも、俺が水たまりに降りたときに、ナゲキバトがびっくりして巣に戻っただろ。これで巣がどこにあるか分かったじゃないか」「お昼は卵ね!」とレイヴンは言いました。

カラスとレイヴンは、道端の宿屋の傍にある木にとまっていました。下で酒に酔った牛追いがいびきを立てて眠りこけていました。カラスはぴんと頭を起こして言いました。「あの眠ってる奴はシャツにキラキラ光るピンを付けてるな」「賞の印よ」とレイヴンが言いました。「エールを飲んであれをもらったの。あいつのマグに残ったエールを飲み干せば、あなたもキラキラするピンをもらえるわよ」「キラキラするピン!」カラスはそう言って、テーブルの上に舞い降り、残ったエールを飲み干すと、倒れて起き上がれなくなりました。レイヴンは舞い降りると牛追いのシャツからピンをむしり取りました。「キラキラするピン!」彼女はそう言って、飛んで行ってしまいました。

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