ブレトンの歴史を称える本は作り話に満ちている。だが鋼鉄が情報源であれば、全ては明白だ。胴鎧が真実を腐らせるだろうか? ありえない! 我らが祖先たちの真実性を検証する唯一の方法は、現存する戦争の武器を研究することである。そして著名な軍事学者である私、サージ・サーリンは、この問題に関する知識を豊富に有している。
兜
ハイエルフは三という数を称え、神聖なものとみなしている。おそらく我らの祖先の兜に三つの縁が付いているのはそのためだろう。兜の先端には三つの紋章が配され、それが兜の全側面に向かって均一に湾曲している。これまでの私の研究では、三つ組への執着がエルフ的なものへの崇拝から来ているのか、我らブレトンの血に含まれるエルフの祖先から引き継がれたのか、結論が出ていない。
肩防具
ストームヘヴンの父祖たちは、装着者の脆弱な喉元の左右を、丈夫な革の覆いで守ることを好んだ点が共通している。このスタイルは吸血鬼の襲撃が頻発した時期に主流となったもので、刃や爪に対する緩衝の役割を果たす。
胸当て
狩人は腹部に装着した革のベルトにフックをつける。フックは仕留めた獲物の死骸を運び、薬草や薬袋を吊り下げるために役立つ。はっきりと言えば、ポケットの前身である。
手袋
ドルイドたちはブレトンの国境から追放させられる前に、薄い生地で指を覆う手袋を用いるスタイルを普及させた。自然を育てる人々にとっては、このスタイルのおかげで人差し指を土の中に突っ込んで植林を行うことが可能になった。
ベルト
革製の輪を、三角形の装飾品でつなぎあわせたもの。サイズは巨大なものから極小のものまでさまざまだが、見てすぐそれとわかる三角形の護符は常に用いられている。
脚当て
尖ったプレートが脚当てに沿って縦に伸びており、それぞれの節に配された銀が足の下部を狙う攻撃を防ぐ。金属の層は音を増幅するために作られたらしく、足の着地音がより強烈で、うるさくなっている。
ブーツ
快適な布の生地を上下の留め金で固定したもので、慎重に歩くにも大股で機敏に歩くにも向いている。このブーツにはしばしば、三つの連なった三角形がエッチングか彫り模様として飾られている。もちろん、どちらの方式が用いられるかは素材による。
盾
この古い銀の盾の中央にある勇敢そうな獅子の顔の紋章は、戦いの狂騒を見つめている。獅子は数えきれないほどの土地を制圧したので、同じことをした高慢な君主たちを表す印としては適切である。第一紀には、多くの軍隊が獅子の唸り声を前にして退却した。
短剣
古きブレトンは作られたばかりの短剣と共に死者を埋葬した。死と宝飾品や武器を組み合わせる民間の伝統は忘れ去られていないが、死者の刃はなまくらになっている。しかしこの短剣の両刃は鋭い。おそらく、彼らは死後の生のことを配慮し、新品のナイフで武装するほうがよいと判断したのだろう。
剣
ブレトンの両手持ち大剣は見る者を圧倒する。裕福な君主の家から発掘されたこの剣は、人間の体のほぼ半分ほどの長さがある。熟練の剣士がこの武器を繰り出せばどれほどの威力があるか、想像することも困難だ。
斧
カラスの翼のように湾曲した我らが祖先の斧には、レバーのような長い取っ手がついている。比較的ハイロックの近くに住んでいたレッドガードと違い、ブレトンは木を切るための斧と、頭蓋骨を割るための斧を区別する手間を惜しまなかった。多くの戦士たちは、大いに戦果を上げられる武器を求めたのである。
戦棍
ある左利きの達人が自分の戦棍の中に空洞を作り、秘密の伝言をまとめて伝えたという伝説がある。私は手に入った全ての戦棍の中に、そのような隠された空洞がないかどうか調べた。私が調べた限りで鋼鉄が割れて開くようなことはなかったが、第一紀に作られたブレトンの全ての戦棍には、そのようなパネルが戦棍の先端に刻み込まれている。
杖
書物では、初期のブレトン魔術師がウィルドの木を削って杖を作ったと主張されている。私は世界のあらゆる場所に根を張っている木などという物語を信じていない。しかしその熱意には何か根拠があるかもしれない。この杖はサピアルチの棒よりも容易にマナを操作できる。
弓
腕利きの弓使いであるエメロード・エンデルは、長い矢柄と短い矢筒で敵と戦った。彼女の歴史はこのスタイルについて記述しつつ、矢筒の短さにより矢の柄が露出し、乱戦の最中でも手でつかみやすくなっていたという事実に言及している。
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