グレナンブラの歴史家、アーメレ・メナント著
オークは誇り高き民で、エルフの神々の中でも最強の者がデイドラ公ボエシアによって害された後、その神から生まれたとされている種族だ。その歴史の大半において恐れられ排斥されてきたオークと、タムリエル上にある彼らの痕跡を無視することは、我々は危険にさらすものだ! オルシニウムの発展段階を観察することなくして、彼らの歴史を語ることはできない。オルシニウムで繰り返された歴史の始まりは、第一紀にトラグ・グロ・イグロン首領の下でオルシニウムがオークの避難場所となった時だった。文明が花開き、この新たな国家の優れた鍛冶屋が、彼らの戦士をその強さにふさわしい鎧で武装させた。
兜
初期におけるオーク戦士の独特の美学は、この兜にもっともよく表されている。オークは細部にまで驚くべき注意を払った彫刻で、金属に無慈悲な顔を描いた。先端を尖らせた青銅の牙は、敵に自分が誰を相手にしているのか思い出させる以外に、実用的な機能はない。暗く、憤った顔の軍隊は確実に大きな恐怖を呼び起こした。
肩防具
オークが恐ろしい相手だということは、我々のほとんどが知っている。彼らはタムリエルのほぼ全ての種族よりも背が高く、体格も良い。例えそうだとしても、この戦士たちには不十分だった。オークの鍛冶屋は肩のポールドロンを輝く金属で念入りに仕上げ、実際よりも大きい印象を与えるため、上向きに角度をつけた。すでに並外れた種族であるが故に、この効果は敵を心底震え上がらせたに違いない。
胸当て
オークのブレストプレートには輝く青銅が多用されていた。着用者の胸の上には薄い金属のプレートがあり、体にしっかりと固定されて先細りの形になっていた。前面では恐ろしく描かれたトラグ・グロ・イグロンが睨みつけ、大胆にも着用者と争おうとする者の心に、恐怖を植え付けた。
手袋
古代ネードの芸術作品は、最も初期のオークが残虐な行為を楽しみ、野蛮な法の元に暮らしていたことを示唆している。完全な真実かどうかは定かでないが、メッキ金属の手袋を見れば、残虐行為の効率性に重点を置いていたことが分かる。このような手袋があれば、武器を持たないオークも恐ろしい敵となる。金属で覆われた拳から放たれる一撃は、人の顔を破壊し得るだろう。
ベルト
頑丈な革と強化した金属で作られたオークのベルトは、支えと腹部の保護の役目を共に果たした。腰帯はあばらの範囲まで広がり、固い素材で着用者を包み込んだ。巧みかつ激しく金属に彫り込まれた、怒りに満ちたオークの形相がバックルに彫られていた。
脚当て
初期のオークの戦士は、鍛冶屋と金属細工師としての技術を脚の防具にも使い続けた。精密に繋げられたチェインメイルは、最も鋭い刃からも肉体を守った。このような重さのグリーヴは、他の種族であれば馬鹿馬鹿しいほど動きを鈍らせてしまうだろう。だがオークの兵士に、命を奪うため迅速に動く必要はない。
ブーツ
太古のオークはブーツを重なり合う厚い金属の板で作っていた。オークの鍛冶屋はブーツの爪先で刃のように切らせ、命を奪えるほど鋭利にした。ブーツの内側に張られた厚い毛皮は、金属が肉体に食い込むのを防いだ。
盾
もしかしたらオークの金属細工を最も見事に示すのは盾かもしれない。オークが残忍で野蛮だったと言う者は、明らかに彼らが作った素晴らしい彫刻を見ていない。人目を引く両角を備えた強靭なオークの兜は、盾の面の特色となっている。
短剣
最も小さな短剣でさえ、柄にはオークの怒りに咆哮する顔がついていた。刃は脅かすような角度で曲線を描き、この短剣を突破のために効果的な武器としていた。この武器は目立たないように作られなかった。太古のオークはそんなものを必要としていなかったのだ。彼らは敵味方に対して区別なく挑む証として、鞘に収めた短剣を誇り高く腰に下げていた。
剣
太古のオークは、その時代の平均的な剣と比べてはるかに大きな剣を振るっていたと見られる。彼らがより長く、より厚みのある武器を振るう力があったためか、あるいは単純にその外観と感触を楽しんでいたためかは熱い論争を呼んでいる。しかし確実に分かっているのは、柄には同じようにトラグ・グロ・イグロンの顔が入っていたことだ。彼はあらゆる困難にもかかわらず、オークが力を手にした象徴だったのだ。
斧
オークは採掘の機会に恵まれた土地にいたため、強固で実用に耐える金属を利用できた。彼らの鍛冶屋は曲線というより先端と言えるまでに削り込まれた刃を持つ重斧で、オークの鍛冶屋の残忍な意図を真に示す品を形作った。
戦棍
戦士の戦棍の幅広の頭部には、同様に無骨なトラグ・グロ・イグロンが刻まれたいた。この重さがオーク戦士の生まれながらの強さを証明している。破壊的な衝撃を与えるために作られた鋭い金属は、どんな相手の骨も確実に砕いた。
杖
オークの杖と戦棍がやけに似通っていることに気づくと、研究者は思わず笑ってしまう。破壊力が同様ではないが、最も一般的な杖にはやはり先端に重量のある金属の塊がついていた。多くのデザインがこの塊の底にあるオークの顔の彫刻につぎ込まれた。小さいものではあったが、高く掲げられた彫刻の銀色の凝視を受けるのは、極めて恐ろしいことだったと推測される。
弓
初期のオークは矢筒さえも金属で包んでいた。持ち歩くには重かったが、その代わりにほぼ貫通されることはなかった。矢筒の底にある金属はトラグの顔で飾られ、その図案は弓のリムまで広がっていた。尖らせた金属の装飾が弓の端から突き出す様は、まるで牙のようだった。
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