ヴァーセント・アードレイ著
海の巨人のことはほとんど何もわかっていない。これまでに集められた謎多き種族に関する断片的な情報だけでは、姿を鮮明に描くことがとてもできない。海の巨人が勇猛な狩人である点は間違いないだろう。巨大な鯨を捕らえるのは並大抵の仕事ではないからだ。長きに渡って彼らがノルドの海の男にとっての神秘と恐怖の対象であり続けてきたことを鑑みれば、彼らの技を取り入れて得られる利益はとても大きいはずだ。
兜
海の巨人の目撃談はとんでもなく誇張されたものばかりだが、一貫した主題がある。それは恐るべき光景だったということだ。山のような野蛮人が海を渡る術を会得しただけでも恐ろしい。我々が彼らを模倣するなら、兜で同様の恐怖を植え付けねばならない。太いホーカーの牙、輝く魚鱗、長い骨のプレートで、戦慄すべき海の巨人を演出するのだ。
肩防具
海の巨人の船が確認されたことはないが、巨大であると推測せねばなるまい。あれほど巨大な漁師を乗せる船体は、とてつもなく巨大でなければならない。鎧も同様の驚きを演出できる。骨を削り出したミニチュアの船首像をポールドロンにつけ、装着者を船そのものに見立てる姿を考えてみてほしい。
胸当て
船乗りはしばしば、海の巨人がまとう魚鱗の鎧を噂する。巨大な鱗の出どころは寒気がする謎として残ったままだが、強力な守りになることは間違いない。ボイルドレザーアーマーの胸にこの装甲を縫い付ければ、信じられないほど頑強な防具となる。
手袋
敢えて言わせてもらえば、魚鱗と魚の歯は鎧の製造において過小評価されてきた。軽量なのに信じがたいほど丈夫という際立った利点があるにもかかわらずだ。海の巨人が獲物の食べられない部分を転用できる知恵があるのなら、そういった素材で手を守る利点にも気づくだろう。我々もそうすべきだ。
ベルト
海の巨人を実際に目撃したと言い張る者たちは、頭蓋骨と長い鋸歯で飾られた衣服について証言している。あれほど巨大な生物からすれば、サーベルキャットの頭蓋骨も鳥の頭同然の大きさにしか見えないだろう。我々はより小柄だが、似たような装飾を使える。鳥の頭蓋骨やスローターフィッシュの歯は、我々のベルトにとって同じように恐ろしい飾りとなる。
脚当て
もし海の巨人が陸の巨人と同じような存在なら、グリーヴの必要性など感じないだろう。しかし、海の巨人は獲物を狙って凍える海に乗り出さねばならない。ホーカーのボイルドレザーは温度を保つだけでなく、他の素材に劣らない防御力を誇る。我々のグリーヴを強大な魚の骨と鱗で強化すれば、海の巨人の偉大さに近づけるかもしれない。
ブーツ
海の巨人は武器に大量の骨を使っていることがわかっている。論理的に言って、衣服に関しても同様のアプローチを用いているに違いない。小さなものでもだ。鯨の骨は靴の優れた補強材となるし、脛の外に強力な武装を取り付けることもできる。
盾
海の巨人のように野蛮な種族は、盾のような防具を忌避する傾向にある。だからといって、彼らが作りそうな盾を作れないということではない。骨は彼らにとって潤沢な資源だ。海の民であることを考えれば、木材や鋼よりも入手しやすいはずだ。既存の盾の端に骨を加えれば、防御力、危険性、スタイルを追及できる!
短剣
海の巨人は粗野な短剣や、我々がショートソードと呼ぶようなものを使っているだろう。鯨の死骸に見られる痕跡に長い切り口や切断面があるのは、刃物が使用されていることを示している。ここからインスピレーションを得るなら、切り裂く強き刃を用意し、柄にはしなやかなホーカーの皮を使うべきだろう。
剣
海の巨人にとって我々の剣など短剣でしかないが、彼らもきっと柄のホーカー皮や柄頭に施した骨細工を喜ぶはずだ。我々は大きな鯨にとどめを刺すため海に飛び込むことはないが、この神秘の獣を戦場で用いることはできる。
斧
海の巨人の漁の痕を研究したところ、判明したのは海の巨人が銛に似た構造の武器を作れることだ。証拠から間違いはない。これを付属品として斧に取り入れれば、元から危険な武器に壊滅的な打撃力を加えられる。
戦棍
海上で海の巨人を目撃した者は、その船首に恐ろしい船首像が据え付けられていたと語る。その証言は恐ろしいガーゴイルからホーカーと思しき醜い像までばらつきがある。本当かどうかは誰にもわからないが、戦棍のデザインとしては面白いコンセプトになるだろう。と獰猛な顔をした4つの船首像が、いつでも敵を撃ち据えられる棍棒となる!
杖
海の巨人が魔法を使わないことには、私の名誉をかけてもいい。しかし彼らの骨に対する愛着を考えれば、我々の杖を海の巨人が使うような杖の、恐るべき模造品へと変えることはできる。小動物の頭蓋骨を先端に据え、大きな骨を帆のように薄く切り出して広げ、杖を振るう者の怒りを買った不幸な者に恐怖を植え付けるのだ。
弓
彫られた骨は弓に重みを加え、安定させる。海の巨人が弓を使っているかどうかわからないし、そもそも飛び道具を使っているのかも謎だが、もし使っていたらきっとこのようなものだろう。ホーカーの皮で作った矢筒と、海鳥の羽根をつけた矢だ。
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