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書籍

クラフトモチーフ5:ブレトン

タムリエルの主要な文化様式に関する小論集のための、アルフィディア・ルプス博士による覚え書き

(ルプス博士は帝国公認の民族誌学者として、第二紀418年~431年にかけて最高顧問サヴィリエン・チョラックに仕えた)

アルケイン大学の大賢者レディ・オペル・ダンテーヌはブレトンだ。そこで、ブレトンのモチーフを研究するにあたって、私は彼女に意見を仰ぐことにした。レディ・オペルは気さくな女性で、惜しみなく協力してくれた。

ブレトンは、タムリエルで最後にエルフによる支配のくびきを脱した主要人間種である。そして、長きにわたりディレニに臣従してきたことが、多くの点で彼らの文化を規定している。ブレトンは自治の気風が強く、ハイロックの各王国は個々の主権を死守しているが、ブレトンの社会そのものは階級主義のディレニ王朝に由来する封建的構造を脱していない。また、ブレトンは同じ人間種のノルドとほぼ同じくらい気難しいが、長らくエルフの保護下にあったことから魔術に対しては開放的で、さほど抵抗感を持たない。

以上のことが、果たして彼らの芸術や工芸にどのように表れているだろうか? 例として、ブレトンの鎧を見てみよう。ブレトン騎士が着る光沢を放つ重装鎧はノルドの私兵が着る鎧と同じくらい頑丈で実用的だが、目に心地よいその形状にはエルフの優美さを髣髴とさせる微妙な洗練がにじんでいる。同じ影響は、美しい外観と裏腹に恐るべき破壊力を誇るブレトンの武器にも見て取れる。

このことから私が連想したのは、ディヴァイスとモリアンの違いだった。ディヴァイスがエルフ特有の都会性をそなえているのに対して、モリアンはその深い学識とは裏腹に、例の気難しさも含め、あまりにも人間臭い矛盾をいくつも抱えている。変性意識状態の実験は、どうもうまくいっていないようだった。ゆうべ教授の家に立ち寄ったところ、モリアンもディヴァイスも不在だった。教授の弟子のセイフイジによると、2人はオブリビオンへの旅から確実に生還できるようにするには、輸送の担い手にどのような対価を支払うのが妥当かという問題をめぐって口論を始めたという。やがて個人攻撃の応酬になり、ついには私の名前まで持ち出されたらしいのだ。2人は怒鳴り合いのすえ、研究室から憤然と出ていくと、神々通りをそれぞれ反対方向に歩み去ったという。

言葉もなかった。私を巡って2人がケンカを? 白状するが動転のあまり、私はレディ・オペルに洗いざらい打ち明けてしまった。彼女は信じられないほど優しく、親身になってくれた。2人の魔術師のどちらかに特別な感情を抱いているのかと訊ねられた私は、そうだと認めたものの、気持ちは葛藤し、せめぎ合っていた。レディ・オペルがバンコライのスパイスが入ったワインを1本か2本あけてくれたので、夜が更けるにつれて私たちはいっそう打ち解けていった。どうやって家に帰り着いたかは憶えていない。今日は二日酔いで頭が痛いけれど、そのかわり心がいくぶん軽くなったのでよしとしよう。

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