ホーリンズ・スタンド盗賊ギルド、赤きコブラ著
我々無法者はあまり組織されていない一方で、相手がどこの者かに関わらず、独自の方法で互いを認識している。3つの刃を持つ短剣のようなシンボル、あるいは暗号、例えば… いや、この本には書き記さないでおこう。しかし、我々は犯罪行為を生業にしている点が共通していて、武器や鎧のスタイルは似通っている。
兜
顔の特徴を隠すフードは無法者に特有の頭防具で、革などで耐久性を高めていることが多い。目は隠れないため、仕事中は常に周囲を警戒しておける。用心に越したことはない。
肩防具
無法者のポールドロンは多重構造で耐久性に優れながらも、肩にフィットした形状をしている。派手に広がったショルダーカップを身に着けて、狭い場所で引っかかりたくはないだろう。
胸当て
隠密行動が優先され、物音を立てるのは問題外である場合には、丈夫で柔軟性に富んだ素材を幾層にも重ねて鎧を作成する。金属片やプレートは革の保護材で覆い、全ての結合部に消音処理が施されるため、素早く動く際も鎧が音を立てることはない。
手袋
指が大切な商売道具なら、上質な子山羊の革に通すことで細かい作業も難なくこなせる。さらに手の甲は固い素材で保護できており、罠や見張りの攻撃から身を守る役割も果たす。
ベルト
姿を見られたくない仕事の最中、装備が急に緩んで何かにぶつかり、物音を立てることほどまずい事態はない。こうした理由で、無法者はしっかりと固定できる頑丈な二重ベルトを身に着けることが多い。
脚当て
もう一度言おう。無法者の鎧に欠かせないのは動きやすさに他ならない。そのため、無法者のグリーヴは大部分が紐とフラップのみで作られている。ただし、戦闘中の保護だけでなく、狭い場所を這って進みやすくする目的で、固い膝当てを装着することも多い。
ブーツ
鎧で身を固める時でさえ、無法者は静かに歩くことを好む。そのため、ブーツや靴はしなやかで靴底が柔らかい。それから、十分に油をなじませてある。我々にとって、靴が音を立てるのは命取りだ!
盾
無法者にとって、盾を構えなければいけない状況は仕事が最悪の事態に向かっていることを意味する。しかし、そういう時に見張りや見回りの攻撃をはね返せる、周囲を鋼鉄で補強した頑丈な盾があれば助かるものだ。通常、表面には三本刃の短剣の模様が施されている。盾を構える状況ともなれば、素性はとっくにばれているに違いない。
短剣
刃は簡素かつ真っ直ぐで、両側にエッジがあればいい。誰かの背中に手の長さほどの刃を突き刺すなら、真っ直ぐな短剣が良い。我が短剣には「肝臓えぐり」という名を付けている。
剣
短剣と同様、無法者の剣は真っ直ぐかつ簡素で、刃の両側にエッジがあることが多い。剣で戦わざるを得ない状況は最悪だ。仕事はさっさと済ませ、逃げて生き延びた方がいい。少なくとも、隠れ家に持ち帰る良いネタ話ぐらいにはなる。
斧
可能な限り、我々のような無法者は武器を予備的な道具として持つことが望ましい。なぜなら武器を使わざるを得ない状況とは、既に仕事でヘマをしたことを意味するからだ。我々が持つ斧はどれも刃の下側がフック状になっており、必要に応じてピッケルや四爪錨のように使用できる。高い場所への移動に役立つのだ!
戦棍
無法者は打撃武器として槌を使用することが多い。これは近接武器としての用途以外にも役立つからである。どこかに無理やり侵入する際、あるいは扉を杭で固定して追跡をかわす際も、槌は無法者にとって最良の相棒となる。
杖
戦いで世の中が混乱に陥れば、呪文を操る者でさえ無法者の生活に身を落とすことがある。そうした者が持つ魔法の杖の先端には、抵抗を象徴する三本刃の短剣が象られている。また、尖った杖の先端は番犬の接近を食い止める際にも重宝する。
弓
シンプルで実用的な武器を好むのと同じく、無法者は弓をこよなく愛し、格別な手入れと装飾を惜しまない。結局、本格的な衝突を避けながら敵を始末できる武器こそが理想的なのだ。
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