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書籍

やる気のない徴募兵の告白

ヴォシュ・ラクが仮面を被るのは私にとって好都合だ。
差し支えなければ、ここでは本名を伏せさせてもらいたい。
私のことは、そうだな、ローグと呼んでくれ。
私は真っ当なオークだった。
クランの族長の話を聞いた。
恨みと破られた約束を糧に生きようとした。
そして、そんな時私は啓示を受けた。
トリニマクの言葉を聞いてから私の人生は一変した。

何が起こったって?
クランの名高い切り株のエールの樽を持ってオルシニウムの街へ行く途中、ヴォシュ・ラクの徴募官の一団に襲撃された。
トリニマクの名を称えろ!
地面にねじ伏せられた私は頭に袋をかぶせられ、どこか秘密の場所に連れて行かれた。
正直言って、震え上がるほど怖かった!

何時間も経ったような気がした後、年配のヴォシュ・ラクが私の頭の覆いを外した。
彼女は、私の古くさい考え方が誤っていることを教えてあげると言った。
私の心を開かせ、トリニマクの神聖なる言葉を受け入れやすくするのだと。
詳細は省くが、彼女の手法の中には、何度も殴り、殺し文句を延々と繰り返し、家族のことで脅迫し、彼女曰くトリニマクの言葉が理解しやすくなるというまずい飲み物を適度に飲ますものもあった。

ついに私が根負けし、トリニマクとヴォシュ・ラクに対する信仰を口にすると、それからもう1時間、年配のヴォシュ・ラクが私が本心から言っているのだと確信するまで続いた。
そして仮面とローブを渡され、ヴォシュ・ラクの仲間として迎えられた。
トリニマクを称えよ!

今? 今の私はヴォシュ・ラクの忠実な一員であり、トリニマクの鋭利な刃の1つだ。
ヴォシュ・ラクのために戦う。
頼まれればヴォシュ・ラクのために死ぬだろう。
だが内心では、少し別の思いもある。
ヴォシュ・ラクにはなりたくない!
はっきり言って、最近の改宗者の大半はグループの一員にはなりたがらない。
自分達自身に我慢ならないんだ。
徴募活動はそんなにいいものではない。

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