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書籍

ツゾ船長の記録

その78
リルモス。1日半待った後、我々が輸送を任された謎の客がカマルズベイン号に乗船した。彼と側近は平民の傭兵の格好をしていたが、衛兵が誰も聞いていないと思って「王子」と呼んでいたのがはっきりと聞こえた。レディ・アラベルが機密保持にこだわっていた理由がこれでわかった。すぐに出発し、快晴のうちに西へ航路を定めよう。

その79
ヘヴン。3日間かけてトパル湾の河口を横断し、ロングコーストを通って夕暮れ前にヘヴンにたどり着いた。食糧補給のために停泊。乗客の要請で、乗組員には滞在中船からの外出を禁止した。乗組員たちは不満そうだったが、秘密を守るため十分な支払いは受けている。

その80
ドラウン・コースト航行中。朝潮と共にヘヴンを出発。追い風で、海に出るとすぐスコールに見舞われたが、乗客はついに目的地を明かした。シストレス諸島のハイ・アイルだ。乗客は正体もその時明かしたが、既に知っていたとは告げなかった。彼によれば諸島へ向かう前に、まずはストロス・エムカイ西の海域で待ち合わせる必要があるらしい。

その82
アビシアン海航行中。夜明け、ストロス・エムカイが見えるところで、スピアヘッドとパーフェクトパウンスを発見。カリーン船長、ザジ船長に声をかけると、我々は一緒に最終目的地へ向かうことを知らされた。天候は良好なようだ。楽な航路になるだろう。

その83
西アビシアン航行中。正午、見張りが左舷側に煙を噴くイフェロンの頂上を見つけた。シストレスに近づくにつれ、風が我々を北に押し流しているようだ。アメノス海峡に向けて舵を切るよう操舵手に命じた。南のゴンファローネ湾へ向かう前に。

奇妙だ。空は快晴だが、嵐の雲が我々の前方に集まり始めている。こんな天候は見たことがない。乗組員には荒天に備えるよう命令を出し、乗客たちには甲板に出ないよう言っておこう。厳しい状況になるかもしれない。

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