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書籍

ブルガリクの日記

第二紀582年、暁星の月6日(?)

到着した。どれほどかかったかは言えない。というのも、境界を越える移動の詳細はサラアス・トングの極秘事項だからだ。私がここにきた理由を知る者はいない。あるオークに正体がばれそうになったが、そいつは殺して、死骸はファーグレイブの通りに捨てた。

多くの発見があった。いかにしてメエルーンズ・デイゴンの信者が簡単に次元の間を行き来しているか、デイゴンが我らの愛するタムリエルに何を企んでいるかなどだ。まだ暴くことができていないのは、どうやって炎の暴君の蛮人どもが我々の美しいマンティコラを操れるようになったかだ。彼の丹精込めた作品に何が起きたか摂政ボワードにお伝えせねば。

第二紀582年、薄明の月8日(?)

ドレモラに尋問をしたが、無駄骨だった。デイドラは死を恐れない。痛みに反応するだけだ。石に尋問したほうがマシだった。この忌々しい地で一月探索を続けたが、マンティコラの誘拐犯探しはまったく進展してない。

第二紀582年、薄明の月22日(?)

毎夜、大蛇の知恵に祈る。いや、この地で夜と呼ばれている時間にだが。ここの空気は何か私の体を弱らせるものがある。だが我が信仰は弱まらない。ヴィネシャラというズィヴィライの獣飼いに接触した。彼女はグリルグというオグリムが誘拐犯かもしれないと言った。オグリムを殺したことは一度もないが、トロールなら何度もある。大きな獣の死に様はみな同じだ。怯えて死ぬ。

第二紀582年、薄明の月26日(?)

グリルグはデッドランドという領域へと逃げた。奴め、呪われろ! こんなところは呪われろ! その四本腕の君主も呪われてしまえ!

第二紀582年、恵雨の月3日(?)

行方不明のマンティコラの一頭にようやく出会えた。口にするのも悔しいが、こいつは私を覚えていなかった。このブルガリクが卵の泉で世話をしてやり、ニルンクラッツを目からふき取り、大きな角で隠れた耳に名前をささやいてやったのに。悲しみで胸に穴が開いたようだ。私のかわいい子供たちに、グリルグが何をしたのか解き明かさねば。

第二紀582年、恵雨の月8日(?)

見つけた。マンティコラの苦しみの原因を。数あるメエルーンズ・デイゴンの要塞の奥深くで、グリルグは彼らにデッドランドのハーブと巨大な虫のような獣の血を醸造したものを飲ませていた。オグリムの調合薬を飲むと、彼らの鱗は熱い石炭のように赤く輝き、行動も変わる。狡猾さをそのままに、従順となるのだ。自由にできる獣はたくさんいるのに、なぜデイゴンは我々のタムリエルへの最高の贈り物を奪うのか? なぜ私たちの努力の結晶を、異質で野蛮なものに変えてしまうのか?

明日、子供たちを解放しに行こう。大蛇の力に祈る。クラグローンとタムリエル全土の運命は危うい均衡を保っている。私が死んだら、摂政ボワードに伝えてくれ。私はコートのため、共に生み出した子供たちのために死んだと。

<後のページには血が染みている>

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