書籍

ギデオンの門前で

ウド・セラス著

戦いの熱気で狂乱状態になった数百のアルゴニアンによる騒音が再び街境の向こうで湧き上がると、ファビア隊長はその部族の者こそがこの戦争で不当な扱いを受けている側だと考えずにはいられなかった。彼女の仲間が彼らの土地に入り込んだ。仲間は土地の部族に相談もせず集落を作った。そして今、習慣のようにアルゴニアンを殺している。一体何故? 家畜を狩るようなささいな犯罪で? 家畜が人のものであるとアルゴニアンに教えた者など、誰一人いないではないか! 彼女が先週裁判所で言い争いをしたのは、まさにこの状況全てが理由だった。彼らには適切な外交官が必要だったのだ。

部隊と防衛を任されている長く伸びた壁の背後に身を潜めた彼女は、これまでにも幾度かしてきたように、どうして自分の仕事についてこんなにもひどい勘違いをしたのだろうと考えた。ただ自分の仲間を守り、ちょっとした市民のいさかいを収めたかっただけなのに。ファビアは元々の動機が何であれ、怒りに駆られたアルゴニアンの一団が血を求めるあまり錯乱状態となって自らを傷つけている間、こうして街の防衛施設の端に隠れるため、軍に加わったのではないことだけは分かっていた。

始まった。ファビアにはアルゴニアンが街の反対側を襲撃する音が聞こえた。岩と矢が周囲に降り注ぐなか、他の部隊の指揮官が命令する叫び声が高い石の壁に反射して響き渡った。彼女が立っていたあるギデオンの門の上は恐ろしく静かだった。ファビアは身をかがめて遮蔽の上に出ないようにしながら、兵士たちの前を進んだ。彼女は通り際に肩へ手を置き、勇気づける言葉をささやいた。胸壁の上まで緊張感に満ちた空気が届いていた。他の壁はすべて包囲されていたが、今のところ彼らの前でほんの一瞬の動きすら見られなかった。

それでも彼女は列の間を歩き、入隊できる年齢になったばかりの兵士や、戦闘のリズムとこれから起きることを熟知している、戦い疲れた古参の兵士の恐怖心を落ち着かせた。ファビアが門の近くの自分の位置に戻ると、マダーリズが身を乗り出し、耳をぴくぴくさせながら石のように心に重くのしかかる質問をささやいた。

「あんたの技で、奴らを撃退できると思うか?」

ファビアは街の門の外側でフックに吊るしてある小さなランプのことを考えた。ランプは胸壁にいる者から見えないが、沼地にいる者にとって、特にこんな暗い時間には目印だった。ファビアはアルゴニアンの領域が始まる場所ではないかと思われる場所に近い、湿地帯の荒野でランプを見つけた。

「そう願うわ」彼女は静まり返った沼地に視線を走らせながら溜息をついた。「じゃなきゃ私たちは圧倒される」そう言いながら、ファビアは口元に安堵の笑みが浮かぶのを押さえられなかった。あの向こう、沼地の漆黒の闇の中の、静かな水の溜りに反射する光はランプだった。インペリアルのランプだ。

ファビアは立ち上がり、胸壁から降りるために進んでいった。市民たちが家から街の最も静かな壁に逃げてくると、彼らに向かってうなずいた。彼らの腕には荷物と子供たちがしっかりと抱えられていた。数人の兵士がパニックを起こした群衆の流れと衝突したが、ファビアはぶつからなかった。彼女は体の間に滑り込み、埃が充満する道を着実に進んでいった。そして、彼女のすることに誰かが気づき、阻止する前に、彼女は門を開け放った。

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