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書籍

古代の狩人の日記

飛兎の月3日
エーテルガラスから作りマーズベイン油に浸した矢尻を30本。エボンウッドから作り、シルケンライトの弦を張った弓。匂いを消すために灰と粘土で作った湿布薬。

飛兎の月7日
近くのリルモス人たちが子供を連れて身を隠した。弱虫どもめ。私の部族は角を研ぎ、耳を澄ませて待っている。我々は故郷を捨てない。

飛兎の月10日
奴らは野営地からさらに遠くまで出てくるようになった。川や森の歌声も知らないのに、自分たちのものにしたと宣言している。我々の決意を試しているのだ。

飛兎の月16日
彼の短剣を研いだ。冬の寒さを生き延びていたら、私のファウンも狩りに出る年になっていただろう。彼の飢えがこの剣の刃を鋭く保ちますように。

飛兎の月22日
今日、血が流された。まだ大人になるかならないかの斥候が、皮持たぬ侵入者に殺された。部族に怒りが渦巻いている。彼らの目にちらつく怒りが見える。今夜は喪に服し、明日攻撃を始める。

飛兎の月25日
我々は影のように夜を動き、6つの命を奪った。倒れた仲間が枝角を失った季節一つにつき一つの命。対等の交換だ。古き者たちにとっては公正な取引。レイヴンたちは我らが帰ると称賛の歌を歌った。

飛兎の月30日
我々の村の近くの古い木で火が燃え上がった。風は我々に向かって吹いている。必要なものを集め、我々は谷のさらに奥へ、川に向かって移動する準備を整えた。皮持たぬ者たちの方向へ。

飛兎の月31日
罠だった。一方に火、他方には皮持たぬ者の剣が襲った。奴らは復讐だと言った。だがこれは虐殺だ。私は煙に紛れて逃れた。

ファウンの鳴く月5日
傷は治ったが、まだ彼らの叫び声の重みを感じる。煙は消え、火は消し止められた。生存者の匂いはない。残ったのは私だけだ。

ファウンの鳴く月8日
自分が何になるべきか、今理解した。皮持たぬ者たちは私を獲物とみなしている。私の枝角をトロフィーとして、私の皮を宝として。狩られるのがどういうことか、奴らに教えてやる。

ファウンの鳴く月15日
古き者たちには祈りを、倒れた者たちには、嘆きを。敵に対しては、呪いを。

奴らは恐怖の味を知るだろう。我が名はここに見られし者。奴らの罪の目撃者、我が部族の最後の者にして、彼らの復讐の最初の者だ。

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