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弟子のための錬金術

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言わずと知れた私より

我が愛弟子よ、お前が無駄にしてくれた錬金術の材料は、とうてい不問に付せる量ではない。我が師なら、かくも見下げはてた無能さにはとうてい耐えられまい。「教えるだけ無駄」、「本でも読んでいれば」などと突き放されるのが落ちであろう。そんな不肖の弟子のために、私はこの簡単な手引書をしたためた。希少な溶媒をもう1ケース調達するよりは安くあがるからだ。

万一この手引書を失くしても――お前のことだ、どうせ失くすだろうが――、捨て鉢になる必要はない。私はお前に年俸として支払うべき金を投じてこの手引書を大量に印刷し、ほうぼうに配布する手はずを整えた。いずれ、タムリエルじゅうの錬金術の作業場にこの小冊子が行き渡るだろう。

ステップ1: 溶媒の入手

すでに承知の通り、どんな薬を調合するにも下地となる溶媒が要る。私の講義を一度でも真剣に聴いたことがあるなら、最も望ましい溶媒は自然に湧き出た清浄な水だということを知っていよう。水の純度が、薬の品質を左右する。したがって、水を汲むのに最も適しているのは自然の泉なのだ。

新鮮な水が湧く場所の必要性は、何度強調しても足りぬ。治癒の水薬に関する例の事故を憶えているかね? 淀んだ水たまりや入り江の洞窟、製革所の下流などで水をすくって事足れりとしてよいはずがないのだ。都会であれば瓶入りのきれいな水がいくらでも手に入るだろうが、それでも自分で汲むに越したことはない。

ついでながら、お前の言う「雨水溶媒」は絶対に使いものになるまい。無駄な実験はただちにやめることだ。

ステップ2: 試料の入手

錬金術は組み合わせの学問だ。溶媒が薬の下地であるのに対し、試料は薬の有効成分となる。1つの試料には、4つの特性がある。ここで方形混合の原理を――あらためて――お前に説明するのは気が進まぬが、基本だけは思い出させてやろう。そう、「似たもの同士を組み合わせるべし」だ。

今後、必要な試料は野や山で探すがいい。我が研究室ではなくな! よいか、草花とキノコ類を探すのだぞ。他のものは必要ない! いかなる状況下でも、この原則から逸脱してはならぬ。いつかお前が持ってきた「リスをすりつぶした粉末」などは、八大神に対する冒涜以外の何ものでもない。

なお、使った乳鉢と乳棒は念入りに洗い、きれいにしておくのを忘れぬように。

ステップ3: 薬の調合

溶媒1種類と試料2種類を持って錬金台に足を運ぶがいい。くどいようだが、試料は種類の異なるものが必要となる。ムラサキ草とムラサキ草を組み合わせたところで、できあがるのはたんなるまずい水だ。

必要なものがそろったら、それらを混ぜ合わせて薬を調合する。プラスの特性を持つ試料同士を組み合わせれば、プラスの効能を持つ薬ができる。反対に、マイナスの特性を持つ試料同士を組み合わせれば、それをあえて飲もうという愚か者に害悪を及ぼすだろう。試料の特性が合わなければ、溶媒も試料も失われてしまう。

とにかく試料をとっかえひっかえし、どういう薬ができるか試してみることだ。そうすれば、おのずと試料の特性が分かってこよう。もっとも、試料のごく基本的な特性は食べてみれば分かる。ただし、食べるのは1つだけでいい。間違っても試料で腹を満たそうとするでないぞ!

そう言えば、お前はニルンルートを口にしただろう? ばれないとでも思っていたか? こうしていても歯の歌う声が聞こえるくらいだし、だいいち、光るおまるを隠す方法などないのだぞ。

上級錬金術の原理

あくまでも基本をマスターしたうえでの話だが、手の込んだことをやろうと考えるのもよかろう。注意深い研究を重ねれば、薬を調合する際にマイナスの特性を抑える方法、単純な試料の組み合わせから複数の薬を調合する方法、あるいは、試料を追加してより強力な薬を調合する方法さえ習得できよう!

しかし、さしあたって今は、「自分に毒を盛らないこと」を目標にすべきであろうな。

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