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書籍

船乗りに贈るシーエルフガイド

シルバーセイル号のヴィリルダ著

あなたが王立海軍の一員であれ、単に海上の旅行者であれ、マオマーの船を地平線の上に発見するという不運を経験する前に知っておくべきことがある。このガイドは避けがたい事態が起こる日に備える一助になるだろう。これを最初の教訓としてほしい。たとえ短時間でも海上や海辺で過ごせば、シーエルフに出会うことがある。

名前が示しているように、シーエルフは水上を故郷とする。彼らは波を利用することに長けているため、マオマーの船は海と呼べるような場所でさえあれば、いつまでも海上にいられる。マオマーは我々の交易船を襲撃し、艦隊に奇襲をかける際、この点を最大限に活用する。退却するシーエルフの船は決して追いかけてはならない。たとえ弱っているように見えてたとしても。彼らは相手に追いつけると思わせて誘い込むが、勘違いしてはならない。シーエルフのカッター船は我々の艦隊のどの船よりも早い。すぐに沖に誘い込まれて安全に退却できなくなり、鮫のようにあなたの周囲を回り出す。食料が底を突き、衰弱して戦えなくなると、マオマーはとどめを刺しに来る。卑劣ではあるが、有効な戦法だ。

第二に、地上が見えるのでない限り、シーエルフの船から逃げてはならない。見えているとしても、大いに気をつけるべきだ。問題はマオマーに追いつかれるかどうかではなく、いつ追いつかれるかだ。マオマー船に対峙した時の最良の行動は、立ち止まって戦うことである。少なくともこれなら優位に立てる可能性がいくらかある。シーエルフの艦隊は大抵の場合、小さく小回りの利く船で構成されており、素早い一撃離脱の戦法に適している。素早く鼻先をへし折ってやれば、本格的な攻撃へと入る前に追い払える可能性がある。

マオマーと戦う際、恐ろしいのはバリスタなどではない。彼らは海そのものを武器にする。スループ船より大型の船ならどれにでも、その帆の下に少なくともシーメイジが1人いて、風と嵐を召喚し、あなたの船をおもちゃのボートのようにひっくり返そうとしてくる。マオマーのシーメイジをできるだけ早く無力化するため、あらゆる努力を費やすべきである。波で倒せないとなると、シーエルフは獣を放ってくる。マオマーは戦力のために様々な種類の海の肉食獣を交配し、訓練している。水上を飛んで甲板を襲う翼のついたリーフバイパーから、戦艦を転覆させるほど大きなシーサーペントまで。いずれにせよ、一定の速度で移動し続けていれば、こうした怪物はあなたの船へと辿りつく前に疲弊するだろう。

マオマー自身について言えば、欺瞞的な戦術に騙されてはいけない。シーエルフは凶悪な戦闘員であり、アルトマーの血を流す以外の望みを持っていない。彼らがあなたの船の甲板に乗り込んできたら、厳しい戦いが待っているだろう。マオマーは海が最も荒れている時でさえ驚くほどバランスを崩さず、船の索具を通り抜けることに関しては軽業師よりも機敏だ。想像がつくかもしれないが、よく訓練され装備を整えた海兵が侵入に対する最大の防御となる。しかし白兵戦では、回り込みを防げるように陣形を整える必要があるだろう。シーエルフの襲撃者は分散した敵を素早く圧倒する包囲戦術を好むからだ。

ガイド1冊から学べることは限られているが、この知識によって、生死を分ける日の準備を整えやすくなることを願っている。フィナスタールがあなたの船旅を導くように。

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