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書籍

母の嘆き

愛しい子、日が経つごとにあなたが世界から消えていく。私はもう、あなたの笑い方、日を浴びた髪の輝き、ある日突然何より大切になった、取るに足らないささいなことをたくさん忘れてしまった。

いなくなってずいぶん経つから、喪失の痛みで動けなくなることはもうない。でも、恋しいわ。あの悲しみが恋しい。

あの悲しみがないと、最初からあなたがいなかったような気がしてしまう。それが恐ろしい。あなたが亡くなってから、「いずれ痛みは消え去る」という手紙を何通も受け取った。確かにほとんど消え去ったわ。完全にその悲しみを取り戻したい。

あなたの思い出はできる限り抱きしめておく。少なくとも、それだけはできる。

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