書籍

普通の髪型への呼びかけ

「匿名」著

麗しき我らの街の貴族たちは装飾品と過度に様式化された髪型に夢中になっている。
精巧な髪型の虜になったあの無分別なフバラジャード王子の真似をする以外に、やることはないのだろうか?

高貴な髪の殿下はこれまで、無数の精巧な(そして一般の人間にとっては明らかに馬鹿げた)髪型で公衆の面前に姿を現してきた。
かつらでも、拷問にかけられたかのような滑稽な地毛でも。
路地には飢えた人々や、街の一部区域の沈没によって家を失くした人々がいるというのに、奇妙な髪型王子は自分の美容師がひとつ「芸術」作品を完成させるたびに、100ゴールドもの金貨を支払っている。

最近における彼の毛に関する愚行の例を以下に挙げる:

白金の塔を表わしたもの。明かりをつけた窓を再現するために、ダイアモンドで飾られている。
最近開かれた舞踏会で、王子はレディ・ミシェファバの舞踏会場の入り口を通るためにしゃがまなければならなかったと言われている。

センチネルからの何かの専門家を迎えるために港へ外出した時、我らが王子はその髪で帆を全開にしたヨクダの戦艦を再現した。
開いた口がふさがらないほどの馬鹿らしさは、彼の頭上を飛び回っていたアジサシの糞が主要な帆をかすめて落ちたことでさらに増した。

最近外出した際、ヒュー王子の髪は今まさに突進せんとするハジ・モタの形を芸術的に模していたことが目撃されている。
噂によればこの「髪の獣」の鱗は、そのひとつひとつが均一なサイズのルビーだったという。
さらに獣の瞳はエメラルドだった。
ある若い乙女はこの毛髪殿下の頭に乗った怪物に恐怖し、失神してしまった。
彼女の両親はとっさに毛のモタではなく暑さが原因だと主張し、ヒュー王子の機嫌を損ねることのないようにした。
しかしこの若い女は後に、エメラルドの目に見つめられて、ひどく狼狽したのだと言っているところを聞きとがめられている。

アバーズ・ランディングの人々よ、私は懇願する!
王子の髪型に抗して立ち上がるのだ!

(メモ:これはアバーズ・ランディングにもともと住んでいた者によって作成された実際のチラシを再印刷したものである。
どうやら「ヒュー王子」というのは単に我々がこの不幸な王子に対して用いているあだ名ではないらしい――彼は同時代の人々に実際にこう呼ばれていたのだ)

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